10,000時間

スポーツのできる子どもは勉強もできる (幻冬舎新書)

スポーツのできる子どもは勉強もできる (幻冬舎新書)

  • 作者: 長田 渚左
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/01/28
  • メディア: 新書

文武一道を掲げる長田にとっては、この本は当然といえば当然のことが書いてあるのだが、最初の数ページで目から鱗とはこのことだ思うほどの衝撃を受けた。

よく、運動が苦手な子は、「私には運動神経がない」とか、「親の遺伝かな」ということを考えるが、それは大きな間違いである。もちろん、遺伝なども影響するが、一番はそういった運動する環境にいるかどうかなのだ。

例えば長田はピアノが弾けない。それは左手を思うように動かせないからだが、これも運動神経のせいだろうか。いや違う。パソコンでは左手をある程度動かせるのだから。ブラインドタッチができるし、他の人と比べても打つのは速いほうだ。

例えば、日本社会は右利きで無いと不便なことが多いので、幼い頃に矯正する人がいる。このとき、最初は困ることもあるだろうが、大人になるにつれてできるようになっている。ここには運動神経の入る余地はないだろう。これは野球選手が出塁率・打率を上げるために左打ちになるのも同様である。

結局、運動神経とは言葉に「神経」と書いてある通り、脳からの指令を忠実にできるかどうかであり、その伝達経路が神経であり、この神経回路をスムーズに動かすことができるかどうかが上達の鍵なのである。運動神経の悪い子というのは運動の経験が少ない。つまり、脳から筋肉への指令の回数が少ない。少ないから上手く伝達できない。伝達できないから上手く動作できない。上手く動作できないから苦手になる。苦手だからこそ、ますます運動しなくなる。そういった悪循環で「運動神経が悪い」という言葉が生まれるのだ。

運動神経を良くするには体を動かすことによってその神経回路を頻繁に用いる、これ以外にない。もちろん時間はかかるが、脳から体の筋肉に指令を出す伝達経路を確立しない限り、いつまで経っても運動神経が良くなることはないのだ。

これは、学力においてもいえることである。結局は脳からの指令である。勉強しないで成績が上がることはない。常に神経経路を使っていく必要があるのだ。だから、子ども時代は勉強を無理強いするのではなく、パズルでもなんでもいいから頭を使ってゲームなどを行い、神経回路を活発化させて確立させることが重要なのだ。

運動神経を鍛える、学力を伸ばす、その方法は色々とあるが、体内で考えたときには、どうやって神経回路を何度も刺激させるか、これが大事なのだ。

 

さて、その神経回路をどれだけ動かせばいいのか?という話なのだが、

 

天才! 成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則

  • 作者: マルコム・グラッドウェル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/13
  • メディア: ハードカバー
この本を読むと10,000時間と書いてある。
たとえば、受験楽修1日8時間だとすると、1年間で約2500時間である。
ということは4年間続けないといけない。
1日3時間だとすると、1年間で約1000時間。つまり10年ぐらい掛かる。
以前、掲載した中澤祐二のコラムで10年間というキーワードがあったけど、
きっとここからくるのかなと感じる。
何事も「継続は力なり」なんだと思う。
とか言いながら、「始めが肝心」でもある。
何事も始めるときに楽しめないと、継続に入るまでに飽きてしまう。
子どもに何かをさせたいと思うなら、まずは楽しく
子ども自身がワクワクする、
そう、こころの底から湧き上がってくる情熱を産み出さなければならない。

コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。