時を操る江戸っ娘(おとめ)

これは、8年前に書いたコラムなので、現在と異なるところが多々ありますがお許しください。

 

時を操る江戸っ娘(乙女)

 

生徒諸君は直接教わったことはないが、私の隣に座っている教員のことを当然知っているだろう。パンダをこよなく愛する浅井紀子先生である。

 

先日も四川省の大地震で中国が大きな被害を受けた中、臥竜にあるパンダ保護センターのパンダの安否を気にしていた。また上野動物園のリンリンが亡くなったときに、新聞の切り抜きを差し上げたらそれを見て職員室で泣いていた。教員・生徒を問わずパンダを見ると浅井先生にプレゼントしたくなり、職員室にあるパンダは全て贈り物だそうだ。もちろん自宅でも何百匹と共生しているらしい。

そんな浅井先生だがパンダ愛以外にもう1つ凄い特技を持っている。実は時間を操ることが出来るのだ。先日、誕生日を迎えたと聞いたので失礼かと思いながら年齢を聞くと24歳だと答えた。知らないうちに私は浅井先生より年上になっていた。また、駒込高校は教員にも下校時刻があり22時には退出しなければならない。

 

しかし、ある日私が22時になったので帰ろうかと思い、浅井先生に挨拶をすると「まだ22時だよ。帰るの早くない?」と言ったり、あるときは職員室で「もう20時なの!あと3時間しかないじゃん。」と計算が合わない発言をしたりする。特に高校3年生を担任しているときの時間の操作は凄まじく、推薦入試の願書提出が消印有効であるならば24時間営業の郵便局まで行って24時をオーバーしても消印を前日にする裏技まで持っている。おそらく、1人だけサマータイムを導入しているのだろう。

いつから時間を操っているのだろうと隣に座りながら考えていたのだが、どうやら江戸時代辺りからだということが先日判明した。なんと国語の先生にもかかわらず「し」と「ひ」を混同してしまい、「潮干狩り」を「ひおしがり」と読み、「必要」は「しつよう」になるらしい。

私こそが学校に一番長くいる先生だと自負しているつもりだが、時間を操れる浅井先生には決して勝つことが出来ない。特に推薦入試や文化祭がある秋は浅井先生の独壇場である。

色々とおかしく書いてきたが、この人ほど生徒から慕われている先生はいないだろう。浅井先生は常にクラスの先頭に立ち生徒を引っ張る頼もしい存在である。私はどちらかというと後方支援するタイプなのでうらやましく思うこともある。私はそんな浅井先生をライバル視している。学級通信にしても浅井先生が横で発行しているのを見ては刺激を受けて負けたくない一心で書いている。

1学期の最初に文化祭&体育祭のダブル優勝を目指すと言ったが、昨年度浅井先生のクラスはそれを達成している。おそらく一番のライバルは1年9組になるであろうことをここで伝えておきたい。

 

 

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8年前と明らかに異なるのは、羽生結弦の大ファンだということだろうか。

机上にはパンダと同数の結弦くんがいる。

 

長田にとって浅井先生は盟友である。

もう1人大石斉という盟友がいたが、お寺に専念ということで、この3月に退職した。

ここに書いていいのか分からないが、浅井先生は働きすぎで、体調を崩している。

なんというか、最近寂しいんだよね。腹を割って話せる人がいなくなってきて・・・。

本当に健康には気をつけて欲しい。

 

これで、かわいい後輩である梶間まで何かあったらと思うと・・・。

あっ、次回の教員のコラムはかわいい後輩にしよう。

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