準備の男

駒込学園における教員の下校時刻は22:00である。この時間まで残っている教員はほとんどいない。その中で自称四天王と呼ばれている教員がいる。社会科の武石先生、大石(筑土)先生、国語科の浅井先生、そして長田である。(これ、8年前のコラムです。今だと、長田、浅井、藤崎、細野かな~。)

 

たいてい、この4人が最後に職員室の鍵を閉めるのだが、この4人を脅かす教員が出現した。体育科の宮坂拓弥先生だ。

 

宮坂先生を一言でいうと“準備”の人である。よく宮坂先生や四天王が遅くまで学校に残っていると、「長田先生、おなか空きません?」といってお菓子を四天王に配り始める。どうも宮坂先生は、机の引き出しに多くのお菓子を準備しているようだ。また、「長田先生、安くて美味しくてたくさん食べられる店があるんですけど一緒に行きません?」と何度か誘われたのだが、着いたお店は寿司屋やしゃぶしゃぶ屋である。あのときのお菓子は、ここで先輩教員に奢ってもらおうという撒き餌だったのだ。本当に準備周到だと感心した。
先日、宮坂先生に「学級通信の紹介文で宮坂先生のことを“四天王を脅かす男”というタイトルで書いてもいい?」と聞いたら「“四天王を超える男”の間違いじゃないですか?」と返ってきた。どうやら、完成してからもうすぐ6年経とうとしているこの新校舎で、警備員を除いて最初に駒込学園に宿泊するのは宮坂先生になりそうだ。準備周到な宮坂先生だから既に車の中には布団と枕が入っているはずだ。

いろいろと茶化しているように書いているが、宮坂先生の準備の能力は本当にすごい。普通担任としてクラスを初めて受け持った年は、不慣れもあって処分者を出すことが多く苦労するものだ。しかし、昨年度の高1学年で処分者が出なかったのは10組と宮坂先生の4組だけである。これは、宮坂先生がいろいろと生徒のために準備して、生徒の突然の行動にも臨機応変に対応する能力を有しているからだと私は確信している。

宮坂先生は来週から1週間ほど出張する。それはサッカーのA級ライセンス講習会に参加するためである。きっと今回の出張も駒込高校を全国優勝に導いた後に、サッカー日本代表監督に就任するための準備なのだろう。皆も宮坂先生の準備する力を見習って、今のうちに宮坂先生のサインを獲得しておこう。

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