日本人失格。2

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日本人失格 (集英社新書)

日本人失格 (集英社新書)

  • 作者: 田村 淳
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/02/17
  • メディア: 新書

さかなクンのお母さんとノーベル賞・大隈教授の名言

2012年に「海洋立国推進功労者」として、内閣総理大臣商を受賞し、2015年には東京海洋大学から名誉博士の称号を授与された、さかなクンもそう。彼のお母さんは、こんなエピソードを残している。

小学校時代は授業中でも魚の図鑑に見入っていて、ちっとも授業に身が入らなかった、さかなクン、その授業態度に激怒した先生は、お母さんを学校に呼び出し、

「絵は素晴らしいけれど、他の勉強もしてください」

と注意したらしい。しかし、お母さんは毅然とこう言い返したんだそうだ。

「うちの子は、とってもさかなが好きなんです。しかも、魚の絵も上手に描けるんですよ。それだけで十分じゃないですか。」

お母さんはさかなクンが何に興味を示し、何をしているときが楽しくて幸せなのかをずっと見続けていたんだろう。他の教科を学ぶのも大事、でも、それ以上に感受性が豊かなこどもの時期にこそ、自分が楽しい、面白いと感じた事に目一杯、好きなように取り組ませることの方がもっと大事だと言いたかったのだと思う。

先生は、お母さんの言葉に反論できなかったらしい。というより、その後のさかなクンの活躍や幸せそうな姿を見れば、お母さんの息子との向き合い方は間違っていなかったことがわかる。親の子供に対する教育とは、こういうことを言うんじゃないだろうか。

裏を返せば、その担任の先生は、さかなクンの「個」を見抜けず、可能性も見出せなかった。前述したように、何かに飛びぬけた生徒よりは、均一的な、どの授業も真面目に受ける「いい子ちゃん」を受け持ったほうがラクだと考える先生だったのかもしれない。

日本の教育では、みんなが同じような知識を持つことがいいことだと思われているみたいだけど、学ぶって、まんべんなくではなく、何かに突出してもいいわけで。

さかなくんのお母さんの、先生に対する毅然とした姿勢は、2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した東京工業大学の大隈良典名誉教授の言葉を思い出させる。

受賞後初の講演で、大隈教授は言った。

「人と違うことを恐れずに、自分の道を突き進んでほしい」

続けてこんなことも言ったという。

「これこそが日本人の弱点だと思うんですが、みんな一緒、みんなと一緒であることが心の平和だと思い込んでいる。それは絶対的な間違いであり、人の成長を止めます」

今の世の中、どうも人と違うことをするのは、「悪いこと」のような雰囲気が漂っているけど、大隈教授の言葉には改めて勇気付けられる。

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