嘘つき

今月は「おおもり」監督特集です。

 

これは、いつだろう。文通1周年記念コラムかな?

 

嘘つき

 

私が「おおもり」監督を一言で表すと“嘘つき”になる。

 

先日、インターハイ個人戦でTが全国を決めた日に魚邦で飲んだとき、「しゅうとく」OGの「むちま」先生が「長田先生の学級通信すごいですね」と言った。「むちま」先生は間違いなく読んでいないし、雨がぱらつく歩道で「おおもり」先生が事前にコーチしている姿が、容易に想像できた。

 

 

というのもその前の週に私も、おおもり家に入る前に「この蛸はお前が買ったことにするんだぞ」も言われたからだ。最初に“何のために?”と思っていたが、すぐに判明した。こういう心を配れるところがおおもり先生の良さなのだと思う。

 

 

以前、おおもり先生が書いた文章の冒頭に

 

『「先生はよくいろんな言葉が出てきますね。」と皮肉交じりに言われた。試合を終え一息ついた「きただ」先生は優しい顔を取り戻し、毒を吐いた。』

 

と書いてあった。これを読むと、おおもり先生は、“嘘つき”というより、自分の言葉ではなく“相手に合わせた言葉”を吐く人だなということに気がつく。相手に合わせた言葉というのは非常に難しい。普通は誰もが、自分の言葉を話すからだ。

 

私は最近本を読むようになってそのことに気づいた。京都の公立高校のある校長が

「木は光を浴びて育つ。人は言葉を浴びて育つ」

と仰っていた。

 

 

おおもり先生はまさにこれを実践している人なのだと思う。

本を、特に早稲田ラグビーなどスポーツの感動話を読んで感情移入できるところが

その能力の高さを示しているように感じる。

 

また、私は本を読むようになってから、そしておおもり先生と話をするようになってから、言葉の持つ力について考えるようになった。特に漢字には言霊があると思う。例えば、「辛いのは幸せになる途中」や「心をこめれば夢は必ず叶う」、「夢を叶えるには-の言葉を吐かないこと」などがある。非常に面白く、私も考えて“学習”を“楽修”と造語を作っている。

 

話がそれたが、おおもり先生の言葉の力を強く感じることが多い。たとえば財布の話。知らない間に奥さんの分まで買うことになっていた。例えばロレックスの話。入賞したときの副賞賞金を全額上げると言っているのに、いまだにロレックスの話をしてくる。冗談で話していたにも関わらずいつの間にかそれが現実になろうとしている。きっとしゅうとくの選手もそんな感じで、自分たちでも気付かないうちに、全国大会に出場し準優勝、3位などの成績を修めてしまったのではないだろうか。そう考えると、監督の力って結構大事なんだなと今更ながら思った。

 

私が「おおもり」監督を一言で表すと“嘘つき”になる。

しかし、その“嘘”は相手への“思いやり”である。

さらに「おおもり」監督には“嘘”を“真実”に換える力がある。

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