ベイカー茉秋選手がパルラム·リパルテリアニ選手(ジョージア)に優勢勝ちし、日本人では、 同階級初の金メダルを獲得しました。今大会の日本男子柔道では73キロ級の大野将平選手に続 き2人目の金メダル。 決勝では、序盤からしっかりと組み合い、得意の大内刈りなどで攻めたてました。2分17秒 には大内刈りで有効を奪い、その後も技を出し続けながら、指導2を受けはしましたが、しぶとく逃げ切りました。
勝利が決まった瞬間、両手を大きく突き上げて満面の笑みを見せました。
「今日の戦いというか、これが小さいころからの夢だったので。井上(康生)監督がオリンピッ クチャンピオンになったのを見て柔道を始めたので,それを達成できてうれしいです。(井上 監督には) 一番オーラがあると言われた。結果が出て良かったです。まだ実感がないんですけど、 すごくうれしいです」とコメントしました。
ベイカー選手は幼い頃、両親の離婚を経験。「女手一つで育ててくれた母に感謝を伝えたい」。 母.由果さんは「リオまで連れてきてくれて、メダルも取れてうれしい」と笑顔で息子を称え ました。 東京·上野近くの下町で生まれ、幼稚園の頃は、姉にくっついてピアノを習う繊細な少年だっ たベイカー選手。
「柔道はピアノの姿勢を良くするために,小学校から始めたんです」と母- 由果さんは*猫背でピアノを弾く癖があったベイカー選手と柔道との関わりを振り返りました。 離婚後父親の穴を埋めるように、由果さんは『男らしくあろう」と努め、大型バイクの免 許を取得し、息子を乗せて走る一方で、肉の産地・野菜の種類にまでこだわりを持つ息子のリクエストに応えながら料理をつくってきました。
「茉秋」と 書いた鉢巻きを締めた由果さんは、スタンドでじっと祈るように息子を応援し続 けていました。ベイカー選手の金メダルは、これまで女手一つで育ててくれた母に捧げる金メ ダルにもなったのです。
表彰式でベイカー選手は、清々しく晴れやかな表情で日の丸が掲げられるのを見つめていま した。その後場内を回るときも自然と心からの笑みがこぼれ、「もう幸せです。このオリンピッ クを機に柔道人気を爆発させようと思っていたので,バシッと1本で決めたかったんですが、 仕方ないですね。(井上監督からは)『よくやってくれた」と言われたので、勝って今までの恩を返せてよかった次は東京オリンピックで連覇したいと思います」と、金メダルを首にかけ、 頂点に立った実感をかみしめながらも,早くも東京五輪への決意を語りました。
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