食で身体に栄養を!
読書で心に栄養を!
与えよう!
今月はこの本から!
この本だと野球・サッカー以外もたくさん載っているので嬉しいですね。
ということで今回の5回は水泳の選手で!
4年前より重い。
水泳人生の全てが詰まっている。
星奈津美(女子200mバタフライ・銅)
女子200mバタフライ決勝が10日に行われ、前回世界選手権覇者の星奈津美選手が2分5ら20で, 2012年ロンドン五輪に続いて銅メダルを獲得。甲状腺疾患であるバセドー病の手 術や、世界王者の重圧を乗り越えて迎えた3度目の五輪で、人生最高のレースを完遂。 「1番 幸せなオリンピックだった」とうれし涙を流しました。
競泳日本女子の2大会連続メダルは前 畑秀子選手,中村礼子選手に次ぐ、史上3人目の快挙です。 ラスト50m。星選手は得意のラストスパートで前の2人を追いました。わずかに届きませんでしたが、ロンドン五輪と同じ色のメダルに悔いはありませんでした。 「人生で最高のレースができた。これ以上,腕もかけない、足も蹴れない……というくらい まで初めて出し切れた。一番幸せなオリンピックだった」 喜びの涙があふれました。
道のりは平坦ではありませんでした。高校1年で発覚したバセドー病の症状が悪化。甲状腺 ホルモンの分泌が過剰になり、疲れを引きずる日々が続きました。記録も伸び悩みが見えまし た。2014年9月の仁川アジア大会でも思うような結果が出せず、定期検査の数値も安定し ないため、身体にメスを入れると決意。同年11月21日に手術を受けました。しかし、不安より 楽しみのほうが大きかったそうです。いよいよ明日が手術だという日。
日記には前向きな言葉 が並んでいました。手術から3日後、病院でシャワーを浴びた際、「顔にかかる感じがうれし くて、やっぱり水が好きなんだ」と実感したそうです。練習は3週間後に再開。最初は首を動 かさないようにクロールを中心としたメニュー。呼吸の際に首を激しく上下させるバタフライ は怖くて、しばらくシュノーケルをくわえて練習しました。
前後して指導者も日本代表監督でもある平井伯昌ヘッドコーチに変更しました。すべてがリオ五輪での金メダルに狙いを定めてのものでした。平井ヘッドコーチが 羊の皮をかぶったオオカミ と称するほどの強さで、手術からわずか9カ月後の昨年8月、世界選手権を制覇し、五輪代表を勝ち取りました 平井ヘッドコーチの指導を受けてから、得意のキックに頼った泳ぎから、しっか りと腕の か きを使う泳ぎのマスターに努めました。
優勝した昨年の世界選手権のときも、まだ完成はして おらず、泳法改善に取り組んでいました。しかし、なかなか思うような記録が出ず「フォーム を戻したい」と、平井ヘッドコーチに相談すると「戻してもいいが、今からは逆に厳しい。泳 ぎが崩れる。タイムを気にせず、泳ぎを固めていこう」と諭されました。
頭の中では納得したものの、今年5月のジャパンOP、6月の欧州GPとタイムが伸びませんでした。 6月の欧州GPバルセロナ大会では、100mバタフライで決勝に進めず,部屋で涙を流し ました。星選手は平井ヘッドコーチに誘われ、会場からホテルまで30分ほど歩きました。 ベテランで世界王者の星選手は、人前で弱音を吐けず、持ち前の真面目さが逆に不安を抱え 込むこととなっていました。
「世界チャンピオンのプライドなんて持たなくていい。手がかかる選手でいい。俺はおまえに 手をかけたくてやってるんだ」。
平井ヘッドコーチの言葉に、涙があふれると同時に一緒に苦 しみも流れていき、今まで以上に腹を割って話せるようになりました。一気に距離感が縮むと 同時に、指示に対する理解も深まりました。7月のスペイン,グラナダでの高地合宿の終盤か ら復調。リオにはほぼ万全の状態で入ることができました。 疲気やプレッシャーを乗り越えて掴んだという手応えとともに、星選手は首にかかったメダ ルを見つめました。「4年前より重い。水泳人生のすべてが詰まっている」。 集大成の舞台を下りると、心の底からの笑顔があふれました。
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