夏休み中ということで、卒業生のコラムでも。
今回は「ともよ」です。
恩師より
私が大切にしている言葉は、いくつかあるのだが、その中でもこの言葉を紹介したい。“日の光を借りて照る大いなる月たらんよりは、自ら光を放つ小さな灯火たれ”
この言葉は、中学を卒業する私たちに、国語の先生が贈ってくださった言葉だ。もともとは、森鴎外が言った言葉である。中学3年間で、この先生から教わった事は、非常に濃く深いものであった。一つの問に、ノートに何ページも意見を述べることなど日常であり、授業についていくことに必至なほど難しい授業だった。凄く厳しい先生は、どこか長田先生に似ている気がする。いや似ている―。
先生は、いつも流れを意識していた、卒業の前の授業で、『道』について学んでいた。『故郷』という魯迅の作品が最後の授業の作品で、主人公が故郷を離れ、自分の道へと旅立つ話である。『道』とは何か?この問が最後の問でもあった。私は、こうノートに書き綴った。道とは、目に見えません。でも、見えないからって無いわけじゃありません。私の人生ですから。……省略。
先生が贈ってくださった言葉はいつでも、どんなときでも、照らされている道を進むのではなく、自分が何もない所に、光り輝く道を開くことだ。私は、こう考えた。そして卒業文集に先生はこの言葉とともにもう一言添えている。
“人生において、「いかに生きるか」は、「何になるか」より大切なことだと思います。一人の人間として、今後どのように生きますか。”
この言葉たちは、背中を押してくれる言葉であり、同時に人生の課題でもある。
コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。