卒業文集。1

手抜きですみません。

卒業文集に載せたコラムです。

 

後悔しない人生

 

駒込の卒業生で渥美創太というシェフがいる。サッカー部だったので、そんなに話をしていないが、柔道部員が「こいつにも数学を教えてあげてください」と頼んできたので、何度か教えてあげた程度の間柄である。

 

5年前くらいにフェイスブックで友達になった。すでにフランスでシェフをしている若手日本人シェフとして脚光を浴びていた。

 

いつか渥美の料理を食べてみたいなと思ったら、凱旋帰国かのように、日本で特別シェフとして和歌山のレストランで腕を振るうという情報が入った。一人二万円、和歌山までの旅費を考えるといくらかかるんだと思って一か月ほど躊躇してから予約の電話をしたら、キャンセル待ちも百人ぐらいいるとのことで断念した。

 

 

これが、2年前、君たちが高校一年生のときの話であり、ここ十年程で一番の後悔だった。

 

 

といっても予約の電話をした3日後くらいに、京都のホテルでも一流料理人の集い的なイベントが告知された。一人三万五千円。旅費も考えたら・・・なぁんてことはなく、フランスに行くことに比べたら安いものだ。もう後悔はしない」とすぐに申し込んで、十数年ぶりに渥美と再会した。

 

 

翌年、君たちが高校二年生のとき、アメリカに在住している卒業生から「長田先生、アメリカにも遊びに来てくださいよ」という連絡がこれまたフェイスブック上であったので、遊びに行ってきた。ちょうどその日程で渥美がアメリカでスペシャルシェフとして有名店で働いていたので、アメリカでも食事をして、卒業生二人と楽しいひとときを過ごした。また、渥美はそのあとにも日本で再び腕を振るうと聞いたので、この年は合計四回渥美の料理を食べることができた。どれもとても美味しかった。

 

そして、今年。渥美はフランスで自分のお店をオープンさせるということで、もう当分日本には戻ってこないということだった。なので、渥美の美味しい料理は当分食べられないと思ったら、たまたまだが、大学の先輩から、「一緒にフランスで渥美君の料理を食べに行かないか?」と誘われた。

 

こういう機会でもないとフランスに行くことなんてないだろうな、と思い、快諾した。十六行前の「フランスに行くことに比べたら安いものだ。という言葉を完全に忘れた決断である。苦笑

 

 

残念ながら、お店の改装工事が終わらず、渥美創太の料理は食べることができず、「たらちね」の原稿を仕上げるためのフランス旅行になった。いや、観光もしたので、十分楽しかったが、一番の目的は達成できなかった。だが、後悔はしていない。この三年間で、後悔しない人生とは挑戦し続ける人生ということを学んだのが一番の収穫だ。後悔とは「あのときにあぁしとけばよかった・・・」というやらないことであり、やれば「あのときやろうと決断したのは自分だ」と肯定的な思い出として心に残る。

 

さて、卒業生の諸君。これからは大人として様々な決断を迫られる機会がある。是非、後悔しない人生を選択してほしい。後悔しないために大事なことは二つ。一つは先ほど書いた通り、挑戦する方を選択することだ。

 

 

困難の無い人生は無難な人生

困難の有る人生は有難い人生

 

である。もう一つは元広島カープの黒田博樹の言葉

 

 

どの道が正解であるか悩むのではなく、

 決断した道が正解となるように努力することが大切

 

 

である。

 

人生はこれからだ。挑戦を楽しめ!

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