心を整えるいい言葉。25

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心を整える いい言葉

心を整える いい言葉

  • 作者: 野村克也 中野信子 他
  • 出版社/メーカー: セブン&アイ出版
  • 発売日: 2020/04/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

今回の5回は野村克也(野球評論家)

 

忍耐の裏にあるのは、希望である。

 

技術には限界がある。だからといって安易に限界を口にしてはならない。努力を怠らず、やるべきことを限界までやりきり、そのうえで結果が出ない段階が、技術的な限界なのだ。

 

壁にぶち当たるのは、限界だからではない。単なる逃げであり、妥協の産物にすぎない。あるいは技術的に未熟なだけだ。限界にぶちあたったと思ったときこそが、真価が問われるスタート地点となる。そこからが、本当の闘いの始まりである。プロの世界で、妥協、限定、満足は禁句なのだ。

 

努力することに関して、私は誰にも負けなかったと自負している。それを「辛い」「苦しい」とはいっさい感じなかった。それどころか、「楽しい」とさえ思ったものだ。

 

なぜなら、忍耐の裏側には希望があったからだ。「一流選手になれば、家族に楽をさせることができる」という希望のほうが、忍耐に伴う辛さや苦痛よりも遥かに大きかった。

 

「努力しなければいけない」、「耐えなければいけない」という意識が消えないうちは、まだまだ半人前なのだ。

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