食で身体に栄養を!
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- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2020/10/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
力いっぱい戦って負けたのですから
もう言うことはありません。
神永昭夫(柔道)
柔道は1964年の東京大会で正式競技に採用された。日本勢は軽量級で中谷雄英、中量級で岡野功、そして重量級で猪熊功が金メダルを獲得。神永昭夫がアントン・ヘーシンク(オランダ)と対する最終日の無差別決勝に全階級制覇がかかっていた。
ヘーシンクは身長196㎝、体重120kg。一方、神永は179㎝、102kgと対格差は小さくなかった。長い両手を掲げ、得意の寝技に持ち込もうとするとパワーのあるヘーシンクに対し、神永は柔道の基本である技とスピードに挑んだ。試合開始8分過ぎ、神永は大内刈りから体落でヘーシンクを崩しにかかる。
しかし、これをかわされ、逆に抑え込まれる。会場にどよめきが起こる中、袈裟固めを決められて一本負け。日本柔道の使命は果たされなかった。
神永はこの敗北を受け入れ、勝者を讃えた。まさに敗れて悔いなし。翌日は何事もなかったように定時出社し、いつも通り仕事をこなしたという。
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