アスリートの言霊。7

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アスリートの言霊。 ー厳しい時代を生き抜くためにー

アスリートの言霊。 ー厳しい時代を生き抜くためにー

  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2020/10/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

いちかばちかの勝負にかけた。

鈴木大地(水泳)

 

ソウル大会男子100㎥背泳ぎは、世界記録保持者のデビッドバーコフ(アメリカ)に日本の鈴木大地がどこまで迫れるかに、注目が集まっていた。スズキもバーコフも武器はバサロ泳法。抵抗が少ない水中をキックで進んタイムの短縮を図るバサロの距離が勝負の分かれ目になると見られていた。予選では鈴木がスタートから21キックの25㎥で浮上し、55秒90の全体3位だった。これに対し、バーコフは30㎥以上のバサロを敢行し自身の世界記録を塗り替える54秒51でトップ。実力で勝るライバルに勝つために、鈴木は決勝でのバサロを27キックで30㎥まで伸ばす決断をする。「いちかばちかの勝負にかけた」のだ。

 

決勝は鈴木もバーコフもともに30㎥付近で浮上し、50㎥のターンではバーコフが体半分のリード。しかし、鈴木の猛追に焦ったのか、残り10mでバーコフのスピードが落ち、鈴木がグングン追い上げる。ゴールはほぼ同時で、まさにタッチの差。わずか0秒13上回った鈴木に金メダルの栄誉が輝いた。

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