広田先生

広田先生は今年度で定年で退任することになった。

私が駒込に入った年、広田先生が学年主任、私が学担でいろいろなことを教わった。

広田先生、最後の年、広田先生が学担、私が学年主任で学年通信を校正してもらった。

 

これも縁だな!

感慨深いものがある。

学年通信を毎回校正してもらったこともあったので、

学年通信を100回発行したときに祝辞を書いていただいた。

 

 

「凡事徹底」100号到達、おめでとうございます

長田祐治先生の発行する高三学年通信「凡事徹底」の100号到達にあたり、お祝いの文章を寄せたいと思います。

今から8ヶ月前の3月、新しい学年教員集団のメンバーが決まり、翌4月からコロナ禍の中で変則的な形での新3年生がスタートしました。長田先生は初めての学年主任ということで大変はりきっていましたが、私に「実はひとつお願いがあります」と話を切り出し、何かと思っていると「学年通信を100号を目標に発行したい。ついては、その原稿・記事の校閲を引き受けてもらえないか」というものでした。長田先生が駒込学園に着任して学年に配属されたとき私が学年主任を務めていましたが、それ以来の長いおつきあいです。私が今年65歳を迎えて学園を去ることが決まっていることもあり、最後のお手伝いと思って引き受けることにしました。ですから、この学年通信「凡事徹底」の文章は、発行前に先ず一番先に私が読む特権を与えられているのです。

さて、今日は長田先生のエピソードを一つ二つ紹介して、お祝いの言葉に代えたいと思います。私と長田先生の初顔合わせの時のことです。「大型新人がやってくる」とは聞いていたのですが、職員室に現れたその巨体に先ず驚きました。大きな体に黒縁めがねは漫画「巨人の星」に出てくる左門豊作のイメージにぴったりです。「鏑木先生(長田先生が着任するまで、学園で一番の巨漢。現在も数学の講師を務めています)よりもっと大きい先生だ」とは聞いていたのですが、会ってみるともうこれは立派な相撲取り。席は私の隣になったと記憶していますが、机の下の空間に二本の足が入らないのです。今でもそうですが、長田先生の机の下には足1本。もう一本は外に出ています。「私の隣に横綱若乃花がいるようなものですね」という私に長田先生はさらりと、「彼の方が、僕より一回り小さいと思いますよ」。これには参りました。

もう一つ、これも着任時のお話です。当時教頭だったM先生が「広田君。今度来る新人は大物だよ」と言うのです。「大きい人だって言うのは聞いていますが」と応えると、「いやいやそういう意味じゃない。採用の面接試験で『君の短所は?』と聞いたんだ。それに彼は何と答えたと思う?」「いや、わかりません」「『私、嘘つけないんです』って言うんだ。たいしたもんだろ」

この会話は、今でも鮮明に覚えています。本当に、たいしたものです。現在AOや推薦入試を受ける生徒に模擬面接の指導をしていますが、「自分の短所は?」と聞いてこれ以上の答えは今までに聞いたことはありません。

長田先生の「嘘をつけない」という「短所」は、最大の長所です。時にまじめすぎる誠実さが、生徒や保護者、同僚教員からの信頼を獲得しています。残念なことですが、この世の中には平気で嘘をついて涼しい顔をしている人がいます。嘘がばれて自分の地位が危うくなると、また嘘を重ねてしまう。そういう人とは対極にある、理想を追求し、常に生徒に如何に生きるべきかを問い続ける教師が、長田先生だと思います。

何だか結婚披露宴での「職場先輩からの祝辞」みたいになってしまいました。学年通信「凡事徹底」には、長田先生の思いがストレートに表現されています。100号は通過点です。卒業式までに、何号に到達するのでしょうか。今後の展開を楽しみにしています。

 

 

今ではすっかり嘘がつけるようになりました。苦笑。

本当なら、夜通しで呑みたいところなのですが、

新型コロナなものでね。

このブログで感謝の気持ちを。

22年間本当にお世話になりました。

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