オードリーヘップバーンの言葉。6

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オードリー・ヘップバーンの言葉 (だいわ文庫)

オードリー・ヘップバーンの言葉 (だいわ文庫)

  • 作者: 山口路子
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2016/08/10
  • メディア: 文庫


チャンスなんてそうたびたびめぐってきません。

だから、いざめぐってきたら

とにかく自分のものにすることです。

精一杯頑張るのです。

何でも簡単には手に入らないのです。

 

なりたい役を手に入れるために

『ローマの休日』のヒロインを決めるためのスクリーン・テストが行われたときのことです。ウィリアム・ワイラー監督は立ち会わなかったけれど、スタッフに「カット」の後もカメラを回し続けるように指示を出していました。ありのままのオードリーを見るためでした。

 

王女がベッドに身を投げ出すシーンが終わると、スタッフの一人が言いました。

「もうベッドから降りていいよ」

けれど、オードリーは動かないまま言いました。

「カットの声が聞こえません」

 

スタッフの一人が「カット」と言いました。けれどオードリーはまだ動かないままで

「カットという資格のある人はひとりしかいません」

と言って、クスクスと笑い、現場の監督が「カット」と言うと、ようやく起き上がって、にっこりと微笑。

 

オードリーの無邪気さ、ユーモラスなところ、すべてがカメラに収められました。

 

オードリーはカメラが回っていることを見抜いて「カメラが回っていることに気づかない演技」そしていたのです。したたかに計算して、誰もが憧れるヒロインの役を、自分のものにしたのです。

 

 

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