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- 作者: 山口路子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2016/08/10
- メディア: 文庫
このような戦争を引き起こした
不正に対して抗議するのが、
ユニセフの義務ではないでしょうか。
最大の問題は、戦争
1991年、オードリー62歳の年の1月、湾岸戦争が始まりました。この戦争中、ほとんどのアメリカ人が、アメリカ兵の犠牲がわずかだったことを喜んでいるときに、オードリーとロバートは、まったく別の心境にありました。イラクの人たち、多くの子供たちが、アメリカの爆撃によって死んだという事実に、胸を痛めていたのです。
戦争開始から1週間後、ジュネーヴでユニセフの会議が開かれました。テーマは「戦争が終結したらイラクの子どもたちに何ができるか」。オードリーは失望しました。
「戦争が終結したら・・・」ではない、本質が間違っている、と強く思い、そのとき発言したのが、この言葉なのです。
現実を、我が身のことのように引き受けていたオードリーだからこその言葉です。翌年、「ユニセフ最大の問題をひとつだけあげるとすれば何でしょう?」という質問にはただ一言で応じました。
「戦争」。
戦争、と、一言、オードリーは言ったのです。
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