食で身体に栄養を!
読書で心に栄養を!
今月はこちら。
全部できなくて大丈夫。
本質を掴んでできることから始めよう。
子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
- 作者: 加藤 紀子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2020/06/11
- メディア: Kindle版
SECTION2:思考力をつけるには?
METHOD19 「好きなこと」を見つける
-機会がなければ見つからない
ハーバード大学テクノロジー起業センターで初代フェローを務めたトニー・ワグナー博士は、「若きビル・ゲイツやスティーブ・ジョブス、より最近ではマーク・ザッカーバーグ(中略)、彼らには毎晩遅くまでプログラムを書くように脅したりおだてたりする『タイガー・マザー』(スパルタ式の厳しい母親)はいなかった。彼らに会ったのは情熱だ」と言っています。(『未来のイノベーターはどう育つか』英知出版)
ワグナー博士がイノベーターとその親、教師、メンター(指導者)に計150件以上のインタビューを行ったところ、最もよく出てきた言葉は「情熱」でした。
また、臨床心理士のジョセフ・バーゴ博士によると、お金や名声を熱望している人よりも、純粋に好きなことに打ち込んでいる人のほうが成功しやすいといいます。
時間を忘れて没頭するほどの情熱は、「もっと知りたい」「上手になりたい」という気持ちを引き出し、そのためにはどうすべきかを深める力を伸ばしていくのです。
「好きなことを」を見つけるにはどうすればいい?
■「したことのないこと」に注目する
子どもに「好きなことはなにか」と聞いても、自分には好きなことがないと言うかもしれません。
しかし、創造性とイノベーション教育を専門とするイギリス・ウォーリック大学のケン・ロビンソン名誉教授は、これは「機械の有無」にかかっていると言います。(『才能を磨く』大和書房)
いま、こどもにとってそんなに夢中になれることがないとしたら、一度もやったことのない分野に対して心をオープンにして、積極的にトライしてみることをロビンソン名誉教授は勧めています。
■子どもの行動を知る
また、ロビンソン名誉教授は、「好きなこと」を見つけるには、日常の行動パターンを「見える化」するとよいといいます。学校、習い事、遊び、食事など、ざっくり書き出します。さらに学校の時間割、習い事の種類、遊びの時間に何をやっているかなど、その中身を具体的に書いていきます。
■「夢中になっていること」を見つける
そうして書いた項目のそれぞれに対して、「好き」「嫌いではない」「嫌い」で色分けをします。何をしているときにワクワクするか、楽しくてしかたないのか。子どもの「好き」を探します。
「得意なこと」と「好きなこと」が一致することもありますが、ハーバード・ビジネス・スクールの社会心理学者、テレサ・アマビール名誉教授は、素晴らしい才能を持ってはいても何事も達成しない人はたくさんいるといいます。
大人も子どもも心のうちから湧き出る強いモチベーションがあるとき、ベストを尽くして達成を目指します。達成と情熱には強い関連性があるとアマビール名誉教授はいっています。
■ひとつのことに縛られない
国際数学オリンピックで日本人女性初の金メダルを獲得、現在は数学者でありジャズピアニストとしても活躍する中島ちさ子氏は、いまや「各自が自分の専門の穴をひたすら掘り下げていた時代」から「違う分野からのアプローチや他分野の専門家とのコラボレーションによって新しい知見が生み出される時代」に変わったと語ります。
複数の分野でさまざまな脳を使って、違ったのものの見方を取り入れていく警官は、イノベーションの原体験になります。「好きなこと」を一つだけに絞らず、複数の分野を掘り下げ、横断していくことが、これからの教育に求められると中島氏はいっています。
コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。