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本質を掴んでできることから始めよう。
子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
- 作者: 加藤 紀子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2020/06/11
- メディア: Kindle版
SECTION3:自己肯定感をつけるには?
METHOD32 「多様な視点」を手に入れる
-ひとつの正解だけをめざさない
日本の子どもは、年齢が上がるにつれて自尊感情が低下し、高校生になると非常に低くなります。
その原因の1つは「受験で多くみられるような『閉じた問い』とそれに基づく評価が挙げられるのではないか」と小児科医でお茶の水大学名葉教授の榊原洋一氏は指摘します。「たったひとつの正しい解を追い求める行為を繰り返していると、子どもは自分のできないことにばかり目が向くようになる」といいます。
シドニー大学の神経科学者、アラン・スナイダー教授の研究では、世界中のスポーツ選手、政治家などを調べた結果、どの分野においてもトップに立つ人は、多面的な方法で物事を見ようとしていることが分かりました。
子どもたちを「正解はひとつだ」というとらわれから解放し、柔軟に考える自由を示してあげる必要があります。
「多様な視点」を手に入れるにはどうすればいい?
■「安心して発言できる場所」をつくる
家庭を子どもにとって安心できる場所にします。安心とは、自分の意見を躊躇なく言える状態のことです。
子どもが「間違うのではないか」「ばかにされるのではないか」「否定されるのではないか」と感じることなく、自由に発言したり、気楽に質問や反論ができる雰囲気をつくります。
■ たくさんの「答え」がある体験をする
たとえば料理をすれば、「正解は一つではない」という体験ができます。レシピを検索すると、同じ献立でもさまざまな作り方があり、味の濃淡や風味のちがいがあることがわかります。
また、料理では想定外のハプニングが起きることもあるので、そのつど柔軟に対応し、試行錯誤する経験にもなります。
野菜や植物を育てたり、生き物を飼うことも、こうした経験に繋がるでしょう。読書や映画・芸術鑑賞、日常のニュースなども、家族で捉え方の違いを共有することで、たくさんの視点があることを実感できます。
■ さまざまな人の生き方を知る
親子でさまざまな人と出会う機会を持つと、人生の楽しみ方、仕事のやりがい、失敗の経験やその乗り越え方など、多様な人生観に触れられます。
伝記を一緒に読むの良い方法です。歴史に名を残すような人は、それまでの常識を疑い、たくさん失敗したり、周りから理解されず白い目で見られたりしながら、偉大な発明や発見をしています。こうした人々のたどった道を知ることで考え方が柔軟になり、正解か不正解かで評価されない広い世界が見えてきます。
■ 親も常識をアップデートする
親も自分が正しいと思っていることが本当に正しいかどうかについて、少し冷静になって考えてみるといいかもしれません。科学や歴史の世界で昔は常識だったことが、いまでは間違いだったとされていることもあります。ネットを通じてあらゆる情報が手に入ります。子どものほうが新常識にくわしいということも珍しくありません。
親自身、新聞や本を読んで勉強し、自分たちの思い込みやこだわりをアップデートすることが大切です。
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