今を見ているんわけじゃないんです。

3日前にも掲載したある本のコラム

高橋:監督の口から大谷翔平選手の名前が出ましたが、、彼の取り組みや習慣で、強く印象に残っているエピソードなどはありますか。

栗山:挙げればたくさんありますけど・翔平をよく表しているエピソードは、2016年の紅白歌合戦の審査員でオファーが来た時ですね。広報から翔平に打診すると「収録の前後に練習会場をちゃんと確保してくれるなら出ます」と。翔平の中には「自分がやりたい練習」というのがある。それはすべて自分の中で決まっていて、邪魔することは許されないんですよ。「その練習場所と時間を収録の前後でちゃんと確保してくれるのであれば、いってもいいですよ」といったらしいです。当時からそれぐらい自分のやるべきことに妥協することはなかったですね。

 あと、これはよく言っていますけど、チームが優勝した前年(2015年)の1225日のクリスマスに、夜中に翔平からLINEが来て、「監督が一番喜ぶものです」と映像が送られてきたんです。それは翔平が「合宿所でバッティングフォームを変えるんだ」といってずっと打ち続けている動画だったんです。クリスマスも何も関係ない。自分のための練習に一番没頭できる時間だったんですよね。

 それぐらい野球への強い思いがないと、ピッチャーとバッターの2つなんてやり切れませんよ。彼の持っている才能にどうしてもフォーカスされがちですけど、二刀流を可能にしているのは、彼の頭、思考です。それこそ習慣ですよね。周囲がどうこうではなく、自分がそれをやらないと嫌なんですよ。

高橋:行動の先には成し遂げたい明確な目標が常にある。中途半端な人は、どうしても行動したことで落ち着いてしまうというか、やっている自分にどこか酔ってしまっている部分があるので。

栗山:翔平の場合は自己満足的なものじゃなくて、ずっと先の先を見ているんですよ。遠征先でも、朝10時になるとリュックサックを背負ってウェイト場に翔平は必ず行く。僕もよくホテル内で会いましたけど、投げた次の日だろうが、体が痛かろうが、「僕は今じゃない、今を見ているわけじゃないんです」と。先のことを考え、この筋力のままじゃ、勝負できないからやっている。

 監督としては、ケガしないか、当然心配しますよね。でも、彼にはそんなことは関係なくて、「将来こういうイメージでプレーできるようになりたいんだ」というのが明確にある。今なんて見ていない。視線は常にずっと先にある。だから疲れていてもいく。紅白の審査員の話もそうですけど、邪魔することは誰にも許さないんですよね。

高橋:成長する阻害要因を自分で作らないんですね。

 

どこまで先を見るかって結構難しい。やっぱり今が忙しくて、なかなか遠い先を見つめることは難しい。だけど、やはり先を見ながら進まないと迷子になる。できるかぎり先を見ながら今を頑張るようになりたいなって思う。

長田はそろそろゴールが見えてきたので、ゴールテープを切ったあとのことも考えながら頑張りたいし、今後もこのブログや学級通信の執筆や、年間読書200冊を継続していきたい。

 

 

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