思考型と暗記型

6年前くらいに載せたものを再掲載します。今月は楽修型のお話です。

 

楽修方法は色々あるが、大まかに分けると暗記型と思考型の2つに分かれる。

 

 

暗記型は深く考えずにそのまま鵜呑みにするタイプである。言われたことを素直に受け止めることができる。日常の生活でも言われたことをはきちんと実行することができるが、ちょっと考えて応用させることが苦手。日頃から深く悩まず、テキパキと行動するタイプは大体暗記型である。悩まないので一日寝れば嫌なこともすっきり切り替えできる。学校の授業で例えると「英単語を発音しなくても見たままで暗記できる」、「計算問題はすぐに解けるが、文章題は何が言いたいのか分からず解けなくなる」、このような生徒は典型的な暗記型だ。またノートのとり方に拘りがないので、汚かったり、1色(黒)か2色で書く場合が多い。読書を苦手としていて、逆に単純明快なゲームを好んでいる節がある。

 

 

思考型は理屈を追及するタイプである。常に「何故?」という疑問を持ちながら行動をしている。日常の生活でも「何故?」を持って行動しているので、悩みやすい性格の人は大抵思考型である。気持ちの切り替えができない場合が多く、嫌なことがあると何日も引きずる。学校の授業で例えると「数学の公式は成り立ちを覚えないと使えない」(暗記型の人には信じられないかもしれませんが、結構います。)「英単語の丸暗記が苦手」のような生徒が典型的な思考型だ。また思考型の生徒のノートはきちんと整理しようとしているので、絵や色がふんだんに使われている。また、読書も好きな人が多い。逆にストーリー性のない単純なゲームや漫画はあまり好まない節がある。

 

 

2つのタイプ、どちらがいいのかというと、「どっちも当てはまるなぁ」と思っている両方のタイプを兼ね備えているのが理想だ。国公立大学受験では共通テストが暗記型、2次試験は思考型の出題形式となっている。共通テストのような沢山の科目を楽修するためには、1つ1つ深く考えず、テキパキと用語を覚える必要がある。また、試験中も時間が足りないので深く考えず直感で答えてほしいぐらいで、暗記型が有利とされる。逆に2次試験は文系が論述問題中心、理系も記述式なのでじっくり考えないと解けない問題ばかりで、思考型の受験生が能力を発揮しやすい舞台となっている。

 

 

小・中学生の頃は、まずは覚えないと始まらないので暗記型が有利だ。特に小学生の頃、思考型の生徒は「先生、なんで~なの」と質問をたくさんしたり、また授業と無関係な質問をして授業を中断させて先生に怒られたという経験があるだろう。中学受験でも用語の暗記の多さで思うように点を取れず苦労したことが容易に推測できる。逆に暗記型はとにかく覚えたことがそのまま試験に出題されるので簡単に優等生になっていたはずだ。

 

 

しかし、大学受験では覚えた知識をそのまま問われることはない。文章をよく読み、自分の知識を繋ぎ合わせながら解かなければいけない。高校生になってから、急に授業が難しくなったと思う生徒のほとんどは典型的な暗記型である。定期試験が教科書で学んだ通りに出題されないのでパニックになったためだと容易に推測できる。よって、子供の頃「何故?」を連発して、授業についていけなかった思考型の生徒はこれからが伸び盛りである。かといって、知識を詰め込んでいない状態では宝の持ち腐れである。きちんと暗記をして、知識を繋ぎ合わせる演習を積んでほしい。

 

 

これを保護者の方が読んで、仮に自分の子供が暗記型だと分かったとき、「思考型に切り替えなさい」と言ってもそんな簡単には変わらない。型は今までの生活習慣で培ってきたものだからだ。できれば日頃の生活から考えさせるようにしてほしい。

 

例えば親子で話し合う時間を持つように、読書をさせる。特に推薦入試で小論文を書くときに箇条書きでしか書けない、文章が繋がらないという生徒が非常に多い。

 

逆に思考型と分かった時には、まずは悩まないように即断即決させる習慣をつけさせてほしい。私は面談などで「外食したときはメニューを3秒で決めなさい!」とアドバイスする。また、暗記は反復を徹底させる。急には変わらないが凡事徹底させて習慣にするしかない。

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