欽言。１０

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タレント：東貴博（Take２）

君のお父さんに教わったことを

今度は僕が君に教える番だ。

 

東貴博さんの父・東八郎さんは、欽ちゃんが浅草時代に「師」と仰いだ人。「舞台上の東さんは、自分の前も横も後ろも全部見えていて、すべての人に対して即座に突っ込んでいける。僕がコント55号でやっていたことは、東さんを見て覚えた。『欽ちゃん走り』も、もとは東さんの走り方で、僕はそれを真似しただけ。東さんからは芸だけでなく生き方も教わったな」と欽ちゃんは言っています。

 

その東さんが52歳で急死したとき、息子の貴博さんが高校3年生。大学受験の準備をしているところでした。しかし、父の急死で考えを変え、葬儀の場で欽ちゃんにこう言ったそうです。「僕は親父の跡を継ぎます。弟子にしてください！」

 

これを受けて欽ちゃんが返した言葉が上の言葉。

「お父さんの棺の前で言われたら断るわけにはいかないよね。」

のちに欽ちゃんはこう語っていました。

 

欽ちゃんによれば貴博さんは「何をやらせても飲み込みが早く機転が利く」優秀な弟子。だからこそ、すぐにテレビ出演などではなく日光江戸村の舞台で遠回りさせてじっくり育てようと思ったそう。その考え通り、貴博さんは数年間にわたって舞台での修行を続けました。

 

ちなみに貴博さんは2021年に駒澤大学を社会人受験して見事合格。父の急死で一度は諦めた大学への入学を果たしました。欽ちゃんと同じ大学を目指すとは、師匠思いです。