今月と来月はこちらの本のコラムでも。
生き苦しさから解放されるのは難しいでしょうが、
原因を知ることで少しでも緩和できれば。
「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)
- 作者: 鴻上 尚史
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2020/03/12
- メディア: Kindle版
「世間」のルール3
贈り物が大切
「世間」の3つ目のルールは、「贈り物が大切」ということです。
日本人は贈り物をすることで、お互いを「世間」の人間だと確認するのです。
あなたが友達の家のパーティーに招かれるとき、何かを持っていきなさいと親から言われませんか? 手ぶらで訪ねてはいけないと言われたことはありませんか?
日本人は贈り物をすることで、同じ「世間」に生きていると確認します。
海外に引っ越した日本人は、日本でやっているように隣近所に引っ越しのプレゼントをします。伝統的にはタオルとか石鹸とかです。
これが海外では理解されません。「タオル会社に勤めているだろうか?」とか「石鹸を売り込むつもりなんだろうか?」と思われています。引っ越したと挨拶するだけではなく、わざわzぁ、物を贈ることが理解されないのです。
友達の家に招かれると、海外に住む日本人は手土産を持っていきます。欧米人は驚きます。彼らは、必ず持っていくということはありません。もちろん、駅前でイチゴが安売りしていたとか、ワインをもらったとか、スイーツを作ったとかという場合は手土産として持っていきますが、「手土産を持っていかないことはとても失礼」という文化はありません。
日本では、何かをもらったら、必ず、返さないと礼儀知らずと思われる傾向があります。結婚式の御祝儀も、葬式の香典も、すべて、もらったらいくらか返すことが礼儀だとされています。
お中元やお歳暮というものもあります。聞いたことがあるでしょうか?
学生だと、まだ馴染みのない世界ですが、やがて、「贈り物の関係」に放り込まれるかもしれません。
これが始まったら「あぁ、同じ『世間』に生きているんだ」と思えるでしょう。そして、僕は、このことにも批判的です。物でお互いの関係を確認するしかないのは、なんだか、つまらないと思っています。
そして、そう思う日本人も増えてきました。あなたが働くようになったとき、お歳暮やお中元を贈り合う習慣は、少しは減っているかもしれません。
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私は年賀状は送りますが、お中元やお歳暮はあんまり、、、
昔は結構もらっていたんですけど、お礼とかしていなかったですね。
挨拶も同じだと思うんですけど、返さないのが失礼と考えるのは
ちょっと自分には合わないです。
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