政権変容論。2

今日はこちら本のコラムから

政権変容論 (講談社+α新書)

政権変容論 (講談社+α新書)

  • 作者: 橋下徹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2024/07/18
  • メディア: Kindle版

 

国民は「新しい国のカタチ」までは求めていない

ー「自民はダメだが、野党もダメ」。その思いを国民に強く刷り込んだのは、二度目の政権交代を成した民主党政権だったかもしれません。なぜ09年に民主党は政権交代を実現でき、なぜもろくも崩れ去ったのか・あの教訓を次に活かさないことには、次の政権交代も見えてきません。実は当時、民主党の鳩山由紀夫さんと菅直人さんが発した言葉が印象的でした。政権交代が成し遂げられるポイントとして彼らが語っていたのが、「政策に関しては自民党と一緒でいい」ということでした。「むしろそのほうが有権者の警戒心は薄れる。重要なのは政策の違いじゃなくて、人が変わることだ。政治の中身は似ていても、人間さえ変われば腐敗は減る。それが何よりも大切なんだ」と。

え、それは鳩山さんがおっしゃっていたことですか?

 

ー鳩山さんも、菅さんも、小沢一郎さんも、同じようなことを言っていましたよ。当時の民主党は「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げ、自民党とのカラーの違いも打ち出していましたが、特に政権交代前はそこまで野党色というか、自民党との違いを打ち出していませんでした。それは政権が変わることで国民が警戒しないよう、過激性は排するという彼らなりの戦略だったのです。

そうでしたか。それは知りませんでした。意外でした。

僕はその意見に大いに賛成だからです。最近の野党が政権奪取できない理由の一番が、そこにあると見ています。

今の野党は、現政権との違いや自分たちの独自色を打ち出そうとしすぎている。彼らは現政権と違う方向性を打ち出すことこそが政権交代の目的だと思い込んでいます。

政権交代の一番の目的は、まさに今の鳩山さんや菅さんの言葉通り、国の方針を180度変えることではないんです。一番重要なことは「メンバーを入れ替える」こと。仮に同じ政策方針で国家運営を続けても、運営メンバーさえ変われば、前任者が陥っていた過ちも見つかるし、不祥事や問題点も明らかになる。改革も行いやすい。

 

ー「政権交代」の一番の目的は「政策チェンジ」より「人のチェンジ」にある。前政権の不正や腐敗を正すことを、政権交代の至上目的とすべきだということですね。

民間組織だってそうっですよね。社長が替わるたびに「これまでの方針を180度変えます」では、社員も顧客もステークホルダーもたまったものではありません。

通常は社長が替わっても、業態を一気に変えることなどしない。方向性や業態はこれまで通りで、それでも人が新陳代謝すれば、従来の体制で横行していた悪弊や腐敗が暴荒れます。新風が入ることで改革が進むんです。

そしてそのような緊張感があるからこそ、現経営陣、現政権は不祥事を起こさないように最大限の注意をする。新陳代謝がなければ、人間なんてそんなに強くないので、不正に手を染め続けるでしょう。それは歴史が示す通りです。

このことに野党も、そろそろ気付いた方がいい。何でもかんでも政府与党と逆張り違う道を提示しなくてはと、思い込まなくていい。むしろ、そうすることで国民を遠ざけてしまっていることに気づいてほしい。

なんだかんだ言って、自民党が選挙で勝ち続けている一番の理由は、「大筋の政策は、自民党でいい」と多くの人が思っているからです。野党は「今の自民党と違う国の姿を見せる」というけれど、正直な話、国民もそこまで劇的な変化は望んでいないんですよ。

 

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都知事選に出た石丸さん。正直市長時代には赤字を減らしたことくらいで、他の事はそんなにしていない。ただ、今まで仕事を適当にしていた議員などにたいしてちゃんとしましょう。と言い続けたくらい。歪んだ慣習を直そうとしたくらいだと思う。ただ、それが多くの人々に響いているから「この人ならなんとかしてくれる」と思って投票したのだと思う。その「なんとか」も議員が不正したりとかきちんと議会に出席して意見を述べるとか、そういうことくらいだと思う。自分が次も議員としているためにというものだけになるのをやめさせてほしいくらいなんじゃないかな。

 

個人的には、これこそが私が野党に投票しない理由です。実際の所、選挙に行かないんですけど、特に困っていることが無いから行く理由もないかなって思います。

やっぱり野党が政権交代をしたいなら、政策ではなく、自らの襟を正すことなんじゃないかな。だって国民の多くが自民党に不満を持っているところってそこでしょ。

そういう意味で、志茂田先生が同じ区なら投票に行くし、早く投票できるような選挙に出馬してほしいな~、と願っています。

 

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