認知能力を育む

B:楽修のコラム

今日はこちらの本のコラムから

「指示通り」ができない人たち (日経プレミアシリーズ)

「指示通り」ができない人たち (日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 榎本博明
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2024/03/09
  • メディア: Kindle版


認知能力を鍛える

どんな職場にも、もうちょっと何とかならないかなあ、向上心はあるのに今イチ伸び悩んでいるんだよなあ、やる気はあるのだけど、今イチ使えないんだよなあ、といった人物がいるものである。

これまでの3つの章では、そうなってしまう要因を認知能力、メタ認知能力、非認知能力の3つにわけて、それぞれに相当する事例を取り上げ、何故今イチになってしまうのか、そこにはどんな能力的要因が関係しているのか、改善するにはどうしたらよいかについて、具体的に解説してきた。

ここで改めて、3つの能力要因について整理しておくことにしたい。

 

 

まずは認知能力だが、これは知的能力そのものを指す。仕事をする上では、認知能力の中でも読解力が重要となる。

読解力が鍛えられていないと、仕事の要領や注意事項が書いてある文書を渡され、読んでも十分に消化できない。間違ったやり方をしている新人を見て、「注意事項を渡したのに、なんでそんなやり方をするんだ」と不思議に思うかもしれないが、読んでも意味がよく分かっていないということもある。

取引先から要望書が来ていて、それを読んだはずなのに、まったくそれを踏まえずに提案をした場合、先方は「どうしてこっちの要望を無視するんだ。けしからん」と憤りを感じるかもしれないが、提案者には無視したつもりなどが毛頭なく、要望の意味を理解できなかっただけだったりする。

 

読解力が鍛えられている人からすれば当然のように理解できる文書でも、読解力の乏しい人にとっては、まるで外国語で書かれた文章のように難解でよく意味がわからなかったりするのである。

読解力は、文章を読むときだけでなく、人の話を聞くときにも重要な意味を持つ。コミュニケーションのすれ違いも、認知能力の乏しさによって引き起こされることがある。

部下がこちらの指示とは違うことをやっているのを見て、「なぜ指示通りにしないんだ。人の話を適当に聞いているのか」と不信感を抱くような場合でも、相手はちゃんと聞いていても理解できなかった可能性がある。認知能力が乏しいと、人の話をちゃんと聞いていても、どういう意味なのかわからなかったりするのだ。

読解力といえば、学校時代の国語の授業や試験問題、あるいは国語の参考書や問題集を思い出す人も多いのではないか。評論を読んで作者は何を言いたいのかを考えたり、小説を読んで登場人物の気持ちを想像したり、主人公がなぜそういった行動を取ったのかを推測したりする。

国語の勉強をしていた頃は、こんな勉強が将来何の役に立つのだろうかと疑問に思った人もいるだろうが、そうした勉強で鍛えられたのが読解力である。文章を読んで、その意味を読解する力は、実は仕事力の土台になっているのである。

 

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仕事はコミュニケーションだから、自分の想いを伝えるだけでなく、相手の想いを把握する必要があると思うんだけど、それをできない人が多いなって思う。まあ、自分もなんだけどね。苦笑

そういう意味でやはり読書って大切で、読解力が乏しいと相手の心情、意図を理解できない。よってコミュニケーションもちぐはぐしたものになる。

認知能力=読解力=読書力だよね。

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