「どうせ無理・・・」廃絶宣言!!

「日本にある町工場でロケットをつくることができるだろうか?」
長田はそんなことは有り得ないと思っていた。

 

NASAより宇宙に近い町工場

NASAより宇宙に近い町工場

  • 作者: 植松 努
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/11/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

しかし、人口が1万4千人程度の北海道赤平市にある植松電機という町工場は既にロケットや人工衛星を作っているというのだ。しかも、世界に三ヶ所しかない無重力実験施設の1つがここにある。
植松電機の専務取締役であり著者の植松努さんは、小学生の頃、紙飛行機やプラモデル、ペーパークラフトを作るのが好きで、1つのことに興味を持つと夢中になる子どもだったそうだ。言い換えれば団体行動が苦手で、現在の教育界ならば、学習障害と認定されてしまうぐらい、学校の勉強は苦手だったらしい。

 

 

 

小学生の卒業文集では“自分の作った潜水艦で世界の海を旅したい”と書いて先生から呼び出され、「他の子どもはちゃんと職業のことを書いているのにおまえはこんなものでいいのか?こんなできもしない、かなわない夢を書いていいのか?」と言われたのだった。そして中学生の進路相談でも“飛行機、ロケットの仕事がしたいです”と胸を張って答えたら、「芦別に生まれた段階で無理だ」と先生は答えたそうだ。

 

このように著者は先生から「お前では無理だ」と言われながら、夢をかなえるために国立の北見工業大学に進んだ。しかし、そこでの授業は、ペーパークラフトで学んだ設計や製図であり、紙飛行機で学んだ流体力学などで、初めて独学で学んでいた研究が学校と結びついたのだ。中学・高校時代とは異なり大学に入ってからはほとんど勉強しなくても100点をとることができた。今まで「成績に関係ないんだからやめろ」と言われ続けた能力が開花したときだった。

 

大学卒業後、名古屋にある飛行機関連の会社に入り、新幹線やリニアモーターカーのデザインなどを手がけたのち、彼は実家の会社に戻った。そして不況や過疎化で仕事が激減する中、「稼働率を下げる。なるべく売らない。なるべくつくらない。」といった一見奇妙な経営方針の下、リサイクル用のパワーショベルにつけるマグネットを開発して業績を上げている。日本でのシェアは100%。競合するライバル会社がいないのだから1人勝ちである。そして業績を伸ばしながらロケット開発に携わるようになった。

ロケットというとNASAの打ち上げで見るような大型なものを想像するだろうが、植松電機が開発しているロケットは全長20メートル程度だ。何故TVで見るロケットが大きいのかというと、それはロケットの中身のほとんどが、あの重い機体を飛ばす燃料だからである。ロケットが発射した後、機体がいくつか離れて地上に落ちるが、それは燃料タンクを落としているのである。

 

また、燃料はとても燃えやすいので、安全性を保つために周囲には何もないところで発射しなければならない。しかしこちらのロケットは軽いポリエチレンを上手に燃やしているので非常に安全で、自宅のすぐ隣で実験ができるほどである。このロケットが実用化されたときは、地球の周りにある人工衛星の残骸などを回収するのに用いられるだろうと著者は予測している。

 

このように、子どもの頃から大人に「絶対に無理だ」といわれたことを実現させた植松努氏が書いた著書『NASAより宇宙に近い町工場』(Discover出版)の中にある珠玉の言葉をいくつか紹介して終わりにしたい。

成功するための秘訣は成功するまでやるということです。成功するまでやれば、どんなに苦しいことも辛いことも全部笑い話になります。途中でやめてしまうと、ずっと後悔することになります。そして、状況を改善するまで努力し続けることは大切ですが、その努力を一方向からやっているだけではダメです。方向を変え、手を替え品を替えてさまざまな試みをするのが大切だということを、実験を通じて学びました。

楽をすると「無能」にしかなれません。なぜなら楽をするということは、他の人がする経験を避けて通るということだからです。能力というものは経験しなければ身につかないからです。経験をしなければ能力はなくなります。

楽をしてボーっとしてはいけません。苦労する中、努力する中に「面白い」と思うところを見つける、すなわち楽しむのです。「楽」と「楽しむ」、同じ漢字を書きますが、意味が全然違います。楽をしてはいけないんです。楽しむのです。

 もし今の自分がちょっといやだなぁと思うところがあって、変わりたいなぁなんて思っているのであれば、人と出会えばいいんです。そして本を読めばいいんです。人と出会ったり本を読んだりしたら、昨日の自分と必ず違うからです。新しい知識が入った分、人生は変わるんです。

世界で有名なパティシエというものは、誰も教えてくれないものを作るから有名なのです。そしてそれに至るまでには、「こんなもん食えるか」というものをたくさんつくっているはずです。

うちの会社の子たちは、ロケットが飛んでいくのを見て、「いなくなった」といって大喜びをして、泣いて抱き合って喜びます。ロケットがそこにいたら失敗ですから、いなくなって喜んでいるんですけども、泣くほど喜ぶ理由は、泣くほどつらい失敗を繰り返してきたからです。喜びと悲しみは正比例です。悲しければ悲しいほど、それを乗り越えたときの喜びが大きくなります。

あきらめなければ、状態がほんの少しよくなります。状態がほんの少しよくなるまで、やめずにやり続けることが大切なことです。工夫をし続けるんです。あきらめるのはいつでもできるんです。いつでもできることはいつでもできるんだから、最後に回せばいいんです。

努力というものは我慢ではありません。いやいやすることでもありません。憧れた結果、してしまうものです。憧れがなければ努力はできないんです。

初めて出会うすべてのことに、「うわぁ、すごい、やってみたい」と感動していれば、必ず、やってみたい夢というものが見つかります。そして、その夢は必ず実現します。でも簡単な夢から、かなえ方の練習をしなければ、大きな夢はかないません。だから、まずは小さなことからやってみるべきです。

さて、「感動」という言葉そのものに、実はものすごいヒントが隠されていたんです。「感動」をアルファベットで書いたら CAN DO でした。やってみたいと感動してやってみること、それはキャン・ドゥ、やってみればできるんです。ダジャレですみません。でも本当のことです。

キャン・ドゥという文字はNASAの門に刻まれているそうです。
“DREAM CAN DO, REALITY CAN DO”

「思い描くことができれば、それは現実にできる」と。

 

人にとって一番辛くて悲しいことは、可能性が失われることです。だから、言葉で人の可能性を奪うということも殺人と同じくらい罪深いことなんです。「そんなもん、できるわけがないよ」とか「やってもムダだ」とか「どうせ無理」というのは、人の心を確実に殺す言葉です。こんな言葉が世に満ち溢れています。

こんなくだらない言葉に負けないために、ひとことだけ、効果的なセリフがあります。
「だったら、こうしてみたら」です。

もう泣きながら、歯を食いしばりながら、「だったら、こうしてみたら」だけを考えてください。同じことをやり続けてはいけません。「だったら、こうしてみたら」なんです。次の手を考えるんです。プランAがダメなら、プランBです。プランBがダメならプランCです。次から次へと考え続けるんです。「だったら、こうしてみたら」と考えている限り、魂は絶対死にません。不死身の魂で不幸の連鎖を断ち切るんです。「だったら、こうしてみたら」を考え続けてほしいのです。

僕たちがそうまでして、この宇宙開発をやっている理由はただひとつです。僕たちにとって宇宙開発は「手段」です。一番最初にも書いたように、僕たちの本当の目的は、宇宙開発を使って、「どうせ無理」という言葉をこの世からなくすということなんです。

 

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そう、柔道場に貼ってある、
DREAM CAN DO,REALITY CAN DO!
この本から取りました!

最近、担任していて、「あっ、この子受験に向かない!」って思うことがあるんですよね。だけど、それは決して人間性を否定するとかではなく、大学受験という、知識を正確に、かつ時間内に求める試験に向かないなぁって・・・。紙には書きつくすことの出来ない、笑顔、献身、コミュニケーション能力、すごい沢山持っているなぁ・・・て。

もしもこれを読んでいて、「学校の生活に馴染めなかった」という人がいたら、それは気にしなくていいし、自分を「ダメなやつだ」なんて思わないほうがいいですよ。きっと君に適した場所がありますから。

これは社会人も同じで、職場や仕事に馴染めない人も(正直に言うと、すぐに諦めず、まずは3年間一所懸命頑張ってほしいと思いますけど・・・)、そこで、改めて自分を知って、自分を輝かせられる居場所を見つけましょう。

 

そこで自分を磨いて、夢を叶えればいいと思います。

夢は思い描くことができれば、実現できるものです。

 

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