「自分を動かす言葉」その4

食で身体に栄養を!

本で心に栄養を!与えよう!

ということで長田が好きな本の好きなコラムを紹介します。

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自分を動かす言葉 (ベスト新書)

自分を動かす言葉 (ベスト新書)

  • 作者: 中澤 佑ニ
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2013/02/21
  • メディア: 新書

 

本番直前こそ自信を持ってネガティブでいる

「不安」という言葉は敬遠されがちだ。特にスポーツ界においては 僕自身、今でこそ前向きに物事を考えられるようになったが、若い頃はよく落ち込 んだりもした。どうやって不安を取り除き,前向きになるか ということはスポーツ 選手のみならず万人の悩みではないだろうか。 2012年の夏に体操のアテネオリンピック金メダリストの米田功選手と対談する 機会があった。

 サッカーは団体で行うスポーツであり、対人競技でもある。逆に体操 は個人で行うもので、直接、人と対戦するわけではない。同じスポーツといっても対 照的な性格を持つだけに、話す前からすごく興味があったのだが、案の定 の考え方はすごく新鮮で、新たな思考を授けてもらう大きなきっかけとなった 。

 中でも1番驚いたのは、米田選手が不安をネガティブなものとして捉えていないこ とだった。

米田選手の言葉はこうだ。

「不安な自分をネガティブなものとして切り捨てようとしがちだけど、そうじゃない。メ ンタルが弱いって悪いことじゃないし、むしろ、びびっているくらいのほうが結果を出 せるんですよ」

 それを聞いて、体操に対するイメージが一変した。 それまで、オリンピックで金メダルを取るような選手はもっと強心臓で、自信満々 にすごい技をバンバン決めてしまうのだろうと思っていたけれど、実際はまったく の逆。

 米田選手いわく、大会本番に向かう前に、まず何が不安なのかをすべ 洗い出 すのだそうだ。そしてその不安に対応できるように、あらゆるシミュレーションを想 定しながら練習していく。 つまり、不安をすべて消し去ってしまうというよりも,不 安を抱えている自分をすべて受け入れたうえで、どう演技していくかを考えていくのだ。

 話を聞いていて、そうやって不安と冷静に向き合える姿勢に感心した。 サッカーは どちらかといえば、ビッグマウスのような強気なスタイルの方が評価されるし、自分 から弱気な面を出すことはまずない。そうやって弱音を吐いてしまうと、周りから 、

 「お前、何ぴぴってるんだよ」

と突っ込まれる羽目にもなる「弱さは恥」のような感 覚があるのだ。

 米田選手とは失敗に対する見方も正反対だった. 僕はディフェンスの選手であり、試合中のひとつのミスが命取りになる。だから, 少しでもリスクを減らすようにプレーするし,毎試合,100%を目指してやってい る。だけど、米田選手は違った。

「体操界では、完璧はあり得ないというのが基本的な考え。普段の練習の7割くらいで臨 んで、出来も7割くらいであればOK」

 それを聞いて、僕はまた、目から鱗が落ちるような気持ちになった。 僕も米田選手も理想は「ノーミス」。だけれど、 一方は完璧を目指し, 一方は7割 でいいと言えそこで何が違ってくるのか 心の余裕だ。 そしてそこから生まれてくるパフォーマンスには圧倒的な差がある 完璧を目指し 続ければ それなりにプレフシャーもかかるし、 精神的な疲労度も大きい。動きが硬くなって、 どこかでミスが出てしまうこともある だろう。でも初めからミスを念頭 において7割くらいの心持で臨めば、伸び伸びと動けるし、ひとつミスが出ても,  硬くなってしまうことはない。

 米田選手も、常にそのような精神状態を保つのは難しいと話していた。実際の試合 では、勝ちたいという欲求がノーミスへのこだわりを生んでしまうこともあるのだろ う。でも,どんな時でも基本的に「7割」で臨もうという意識であることに変わりは ないと言っていた。

 そして

「勝つためにはミスへの寛容さと平常心が近道!」

という言葉にも、なんとも言えない重みを感じた。 僕自身のことでいえば、多くの試合を経験してきたことで、 Jリーグの試合では不 安を感じなくなった。だから,米田選手の言葉がが生きるのは もう一度日本代表に招集されて、ワールドカップのような大一番に挑む時だろう。 もしそのようなシチュエーションで不安を感じていたら、米田選手の言葉を思い出 して、自分に言い聞かせたいと思う。僕が米田さんから学んだことで、自分のものと したい哲学はこうだ。

 金メダルを取るような,世界の人でも不安なんだから、みんな不安なのは当たり 前なんだ。

 そう思えれば、見える景色もまったく別のものになるかもしれない- 不安をどうにかする、という発想ではなく,不安を持ったうえで毎日 をどう乗り 切るか このことを肝に銘じて、大一番に臨んでいきたいと思っている。

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長田は最近完璧を求めなくなりました。

ミスするのは当たり前。ミスしたときにどう対応できるかが勝負だと思って生活しています。

それでもなんとかなるんですよね~。

というか時間が空けられるようになりました。

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