pink

私には宝物がたくさんある。16年間生きてきて私が、面白い、楽しいと感じたものは全て宝物になるからだ。しかし、ここであえてものに限定するなら、私の一番の宝物はピンクの毛布だ。

 

私が生まれる前に母は三色の綿毛布を買った。私が女の子だったので三色の中からピンクの毛布が選ばれた。最初は寝るときだけに使っていたが、歩くようになってからも引きずって持ち歩いたらしい。本当にお気に入りだったので“ピンク”と呼んで大事にしていた。引きずってボロボロにしてしまい、初代“ピンク”は捨てられた。

 

引越しをして“ピンク”の到着が遅れたり、洗濯して干したりしているだけでも不安だったらしく大泣きしていたらしい。そんな時母は私を干している場所に連れて行き、もう少ししたら乾いて使えるようになるということを何度も説明したが泣きやむ事はなく、濡れたまま引っ張り下ろし、かぶっていたと言う。

 

今使っている“ピンク”は三代目。もう十年経つのでボロボロだ。ちょっと抱きついただけですぐに糸くずはつくし、裂けた部分に首がつっこまれ、朝起きると首に巻きついている。それでもやはり“ピンク”は寝るときの必需品だ。

 

これからも使い続けるであろう私の大事な宝物なのだ。

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