駒込高校の柔道部が初めて支部大会で優勝したのは、顧問2年目のことだった。その当時は6支部制で、駒込は第3支部に所属。第3支部は巣鴨商業が君臨していたが、当時の高3が最後の代で、商業は廃止となる。
駒込高校にとって、この年は「りょうすけ」達が高校に上がった年で、都大会はまだ出場したことがなかった。だが、3年生も引退してからの新人戦では、間違いなく都大会に出場できる力を有していた。
そんな9月の学年別大会、高1の部で支部大会優勝を果たした。駒込のメンバーは、「りょうすけ」、「ともひろ」、「たくろう」がレギュラーで、補欠に「まさと」と「やすひろ」だった。決勝まではたぶん無失点で勝ち上がった。(ほとんど記憶に無い)
決勝の相手は郁文館だった。試合前に張り出されたオーダーと長田の予想は次の通り。
先鋒の「りょうすけ」とTのエース対決。本当は避けたかったのだが、向こうは完全に狙ってきていた。体重差は40キロあり、こちらが不利なのだが、りょうすけなら悪くても引き分けてくれるだろうと思った。いや期待していた。
中堅は「ともひろ」とS2人の実力はそんなに差はないのだが、中学時代はSに全敗だったので、ここは負けると思っていた。
そして大将の「たくろう」とI、ここは完全に「たくろう」のほうが強い。相手がよほど逃げない限り一本勝ちは固い。
よって、先鋒戦を取ったチームが勝つと思っていた。引き分けなら若干駒込有利かなと。
その先鋒戦、りょうすけは攻め続けて、惜しいところまでいったのだが、ポイント取れず。そしてラスト20秒ぐらいで谷落とし(?)をもらってしまい、技ありを取られて敗れる。
中堅戦、ともひろが男気を見せた。Sの攻撃をもらいながらも必死に粘る。さらに攻め返す。あんなに必死なともひろを見たのはもしかしたら初めてかもしれない。それぐらい頑張った。見ている私たちも必死に応援した。そしてタイムアップ!引き分けた。
大将戦、たくろうに「ヒーローになってこい!」と送り出した。「相手は逃げるかな?」と思ったが、たくろうは逃げる暇も与えずにIを左の一本背負いで一本勝ち!見事支部大会で初優勝を遂げた。
その後の都大会でも支部1位のシードを活かし、見事都大会ベスト8に入賞した。(そのときの話はまた今度、機会があれば・・・)
駒込柔道部は都大会ベスト8、関東大会出場を目指しているが、それは柔道部2年目からこのような成績を修めてきたからだろう。スポーツ推薦に頼らなくてもできるんだと。
それ以後、色々な選手がベスト8や3位に入賞したが礎はこの支部大会優勝で駒込柔道部が文化と経験を作り出したからだと確信している。
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