食で身体に栄養を!
本で心に栄養を!与えよう!
ということで長田が好きな本の好きなコラムを紹介します。
気に入ったら是非是非購入してください。
今回はコチラ。
- 作者: 渡辺 和子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本
内部に潜む可能性を信じる
アメリカでカウンセリングの講義を取っていた頃、非支持的と呼ばれるカウンセリングを考え出した。カール・ロジャース博士の姿に接する機会がありました。
博士は相談に訪れる人の内部に潜む可能性を信じた人でした。一人ひとりの内部には、目に見えなくても、その人が成熟に向かって前進する力と傾向性が、必ず存在するということ。その潜在する可能性は、適切な心理的風土を与えられるとき、現実性へ一歩、踏み出すことができるのだと信じた人でした。
この適切な心理的風土とは、「許容の風土」であり、したがって、カウンセラーは相談者の言葉に耳を傾けこそすれ、、「あなたは間違っています」とか、「こうしなさい」といった批判、指示をいっさいしないのです。
自分の存在そのものが受け入れられたと知るとき、相談者は恐れ気なく、語り始めます。熱心に聴くロジャース博士の態度に勇気づけられて話しているうちに、心の中は徐々に整理され始め、相談者は抱えている問題を比較的冷静に見つめることができるようになり、自力で解決への道を歩み始めるのです。
40年以上、多くの学生と接する機会を持つ事になる私に、ロジャース博士のカウンセリングの姿勢、相手の可能性の信頼と尊敬、聴く態度は、得がたい教訓となりました。
目には見えなくても、そして、時には信じがたくても、一人ひとりの中にその人の成熟に向かって前進する力と傾向性があることを信じることは、教育の根本といえるでしょう。人間の可能性を引き出すのに、必要な許容の風土をかもし出し、相手をまず、ありのまま受け入れるとき、その人が秘めている可能性が開花することを教えられた私は幸せ者でした。
ありのままを受け入れたとき、
相手の秘めた可能性が、
開花する。
誰にでも「成熟に向かって前進する力」が潜んでいる。
相手を信頼して、尊敬することから始めよう。
生徒を信じること、本当に難しいのですが、
それでも信じて信じて信じ抜いて、
(我慢して我慢して我慢し続けて)
自らの力で成長していく姿を見られることは
教師冥利に尽きるというものです。
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