もえ。3

これは東洋大学現大学生コラムに入選したものです。

(まさか入選するとは!!)

 

 

 

 普く通る 

 普通。という言葉を聞くといつも面白い言葉だなぁと思う。国語辞典で調べると『どこにでもあって珍しくない』と出てくるし、小学生用の国語辞典だと『あたり前』と出てくる。たしかにその通りである。そして、普通という言葉は時代、文化、その時その場で変化していくものだ。1990年代の中頃まで高校生が携帯電話をもつことは普通ではなかったわけであるし、アメリカでは家で靴を脱がないのが普通だ。このような使い方の場合は、ある程度分かりやすいし、明確だ。けれども日本人はよくこのような使い方をする。

「私は普通の人間だ。」

と。一体普通の人間ってなんなのだろうか。普通という言葉に確かな定義なんてないのだと思う。自分が「これが一般的だ」と思っていることが基準となっているんだろうが、私はこの言葉を聞くたびに日本人の集団意識の文化を感じるのだ。「普通ではない人」は攻撃の対象になりやすく、小学校などではすぐに「いじめ」に発展してしまったりする。周りとあわせていれば妙な安心をもつ。それは、世渡り上手なのかもしれないが私はそのような考え方があまり好きでない。皆のもつ個性がいきてこないと思う。

さて、私はいわゆる「普通の女子高生」なのだが、実際は「和太鼓をやっていて、たこの刺身が大好きな女子高生」だ。このようにして説明したほうがいいとおもわないだろうか。細かいようなことで申し訳ないが、普通という言葉でひとくくりにして安心するようなそんな社会は寂しいと思うのに。

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