今月は「おおもり」監督特集です。
葬儀屋
暑い日が続いているような気がしていたが、意外と涼しい日が続いている。今年の夏は休みなく、原点回帰で泥臭く柔道に取り組んでいます。どこまで成長してくれるか楽しみな毎日です。
2012年上半期を振り返ると身近な人が多くこの世を去った。身近ではないがテレビの中の人もいなくなった。お通夜に行くことが多かったがどこに行ってもその悲しさは大きかった。そんな時に思ったのが葬儀屋の対応をいつも不満を持ちながら見ていた。業務通り行う彼ら、彼女らの仕事っぷりは、こちらの気持ちなどお構いなしのまるで冷たいロボットのような人までいた。あの人たちは悲しみを感じることがあるのだろうかと、憤慨しながらよく考えていた。
そんな時に同じ職場の若い女性教員の弟さんが亡くなった。彼女は気が動転して田舎に帰り、憔悴しきってまた戻ってきた。ある程度彼女は落ち着いて話ができるようになった時に、私は葬儀屋への思いを彼女に伝えた。もちろん同意してくれるものと思って。しかし彼女は、違った。
『本当に悲しい時に、私達家族はなんにもできません。葬儀の段取りも、弔問客への対応も、遺影の選別やありとあらゆるまでそれに対する思考は停止します。そんな時に仕事として冷静に取り組んでくれるあの人たちがいることが本当に助かるんです。』
言葉を失った。自分の浅はかさを笑うしかなかった。
私の柔道も一緒だと思う。
頑張っている。
必死だ。
その姿に酔っている自分たちがいる。
そんな時に冷静に辛辣な言葉を業務的にかけてくれるのが長田先生だ。
私は彼を葬儀屋と、心の中で呼んでいる。
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