比叡山研修の感想。その1

これは「かずのぶ」のコラムです。

 

「気がついたら・・・」良い意味でも悪い意味でも、本当にこの言葉がぴったりの3日間だったような気がします。坐禅止観、写経、法話、回峰行といった修行の中でしばしば「辛い」、「苦しい」と思うこともありましたが、今思うと1つ1つが貴重な経験となったと思います。

 

坐禅止観や写経は集中力との闘い、法話はとにかく正座との闘い。回峰行はなにより体力と精神力との闘いで、どの修行も辛かったことに変わりはないのですが、僕にはもっと辛いと思ったことがあります。それは、「比叡山」という“異次元空間”と錯覚させられるような場所で2泊3日過ごしたことです。食事の際に音を立ててはいけないという食事作法、テレビもゲームも携帯もない現実とかけ離れた生活、そして休憩時間などもなぜかリラックスのできないあの空間・・・、全てが今までの常識を真っ向から否定されたような思いでした。

 

しかし、そんな経験をして家に戻ってきたら、自分がいかに楽をしていたか、と身に沁みて分かりました。法話で「感謝の気持ちを持ちなさい」という話を聞いて、正直、比叡山にいる間にそのことを理解することができませんでした。ですが、家に帰ってきてから「当たり前ということがいかに有難いことであるか」ということを身をもって感じました。「あのときの比叡山研修での法話はこのようなことを伝えたかったんだ」とようやく気付くことができました。

 

2泊3日、長いようで短かったこの期間で、言葉にはできない大きなものを経た気がします。これからの人生に生かせていけたら良いなと思います。余談ですが、研修中に気を遣いすぎたせいか、家での食事の際に、音を鳴らしてしまうと1回1回動きが止まる癖がついてしまいました・・・(笑)

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