「ぶんいち」に勝ったときの話。その1

ぶんいち。知る人ぞ知る柔道の強豪校。(今はもう個人戦しか出場していないけど・・・)

 

柔道の総本山である講道館で練習しているチームだ。今の日本代表にもベイカーとウルフが活躍している。そんな幼い頃から柔道エリートの中学に駒込が勝利したことがある。

 

今年30歳になる代だから15年前になる。区の春季大会だ。そのとき、「ぶんいち」はブロック大会が近いこともあって、レギュラーを2人温存していた。それでも長田の予想は1-3で敗戦。前3つをとられたあと、副将が引き分けで、大将が勝てるぐらいだった。中堅のエース対決で運よく勝利して2対2の内容勝ちを祈っていた。

 

先鋒の「けんた」はSに有効を3個ぐらいとられたが、なんとか一本負けせずに乗り切った。正直Sが流していた感がありありと伝わってきた。もしかしたら「いける!」かもと思った。

 

次鋒の「りゅういち」はW相手に殊勲の引き分け。この試合もWが油断していた。いや「りゅういち」も相手の背負い投げを懸命に堪えていた。

 

中堅の「ひろとし」、駒込のエースであるが、ぶんいちもその5人の中ではエーズ格のHだった。ここさえ引き分けられれば、後ろは駒込のほうが実力が上なので勝てると思った。「引き分けてくれ!」と祈っていたら、ひろとしは開始数秒、組み際の大外刈で有効を奪った!!そのあとは防戦一方と言いたいところだが、真っ向から向かい合った。もうハラハラドキドキの試合だった。

そして試合終了間際、場外際でHが体落しでひろとしを投げた。「技有り」か「一本」のレベルだったが、審判は待てをかけ、協議する。そのあと審判が下した結論は「場外注意!」。Hが足をわざとラインを越えて技を施したという判定だった。ひろとしの勝利で1対1に並んだ。

 

 

副将の「たかひろ」と相手のMは実力的には互角。どっちが勝ってもおかしくない。しかし、駒込的には大将戦は間違いなく一本勝ちできるので、ここは一本負けをしなければぶんいちに勝てる。だから、たかひろにも「無理しなくていいからな。一本負けだけしないようにな」と伝える。仮に代表戦になったら、間違いなく「ひろとし」とHの再戦になる。さっきは勝ったが次も勝てる保証はない。

 

 

ぶんいちもまさか駒込に負けるわけにはいかないとプレッシャーもかかったのだろう。明らかに気負っていたMは開始して30秒ぐらいで払い腰をかけたときに頭から突っ込んでしまい、反則負け。駒込が2対1でリードした。

 

元から勝つ予定だった大将戦が一本負けしなければ、駒込の勝利となる。大将の「ひでゆき」は相手のTを払い腰で有効を奪ったあと抑え込み一本勝ちした。

 

3対1で駒込がぶんいちに勝った。

 

 

あくまで、駒込から見た試合だが、ブロック大会に向けて主力の2人を温存してくれたのと、先鋒次鋒の2年生が油断してくれた、そして何よりもエース対決でひろとしが相手のエースからポイントを奪ってくれたので勝利をもぎ取ることができた。

 

 

ぶんいちに勝つことができるなんて夢にも思わなかったが、実はそのあとも3回勝つことができた。そのときの話はまた機会があったら・・・。

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