はつみとわたし

はつみと私は、高校時代からの友人同士である。私たちが同じクラスになったことは一度もないが、卒業して6年以上が経った今もときどき会ったり連絡を取り合ったりしている。はつみは「私たちは正反対だよね」と言っていた。しかし、はつみと私は似ていると、私は思う。

はつみは内進生で、私は外進生。はつみは理系クラスで数学が得意、私は文系クラスで数学が苦手だった。住んでいる場所も離れていて、通学に使う駅も違う。はつみは千駄木駅、私は本駒込駅を使っていたから、毎朝反対の方向から学校へ来て、夕方には校門を出て反対の方向へと帰っていく。

はつみはいつも明るく前向きで、真面目で負けん気が強い。周りの人をよく見ていながらも、流されずに自分で決めた道を進んでいく。そして、頼られると断れない人でもある。男子ばかりの理系クラスで委員長を任されて、悩みながらも一所懸命に務めていた。その年の玉蘭祭では素晴らしい演目を創り上げ、ヒエログリフの読み書きまで身につけていた。あの長田先生に「優勝できなくても悔いはない」と言わしめたほどである。

 

周りに良い影響を与えて場の雰囲気を変えていくようなパワーのあるはつみに対して、私はいつでもマイペースだ。やや早口でせっかち気味なはつみと比べると、いろいろなことがゆっくりである。はつみは思いやりがあり優しく、正義感も強いので、私も見習いたいと感じている。しかし、私たちは似ているところもあると思うのだ。それは、「そんなこと普通起こらないよ」「ちょっとずれてるよね」「よくわからない」という言葉を友人たちからかけられながらも、明るく前向きに生きているところだ。

 

駒込高校を卒業後、はつみは東京の大学に進学し、私は生まれ故郷の新潟の大学へ通っていた。大学卒業後も、はつみは東京、私は新潟で暮らしている。はつみは私が新潟で暮らし始めてから、3回遊びに来てくれた。はつみは江戸っ子であるから、新潟の雪や日本海の砂浜を楽しんでくれたようだ。

 

はつみはアクティブで、海外旅行とスポーツが好きだ。旅先で出会った素敵な人々の話や、バンジージャンプやスキューバダイビングをしたときの話を聞かせてくれる。海外旅行にもスポーツにもあまり縁がない私の世界を広げてくれる。はつみの話は面白くてわかりやすくて、心に残る。ふと思い出すたびに、明るい気分になるような、元気の源だ。

 

私たちは、別々の場所で暮らしながら、別々の環境で学びながら、ときどき会ったり連絡を取ったりして、他の人には「よくわからない」と言われがちな話を「わかる!」と共感し合いながら、これからも明るく前向きに生きていくだろう。

 

長田

昨日2人からコラムが届いて驚きました。

このブログが2人の縁をつないでいるようで

本当に嬉しいです。

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