ゆうき。3

12月は卒業生のコラムです。

 

今回は「ゆうき」

今回はNagata Stationに書いてくれたコラムです。

卒業しても書いてくれる有難い存在です。

 

 

これは「ベストゲーム」かな?

 

ベストリフト

自分はパワーリフティングの選手である。

パワーリフティングはよくウエイトリフティングと混同されがちだが、その競技との違いを書くとさすがに脱線するのでやめておく。

詳しく知りたい方はウィキペディアか何かで、好きな筋肉の部位を調べるついでに検索してみてほしい。

自分はパワーリフティングの試技種目であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目の中で、デッドリフトが一番得意だ。

 

3月9日のジャパンクラシックパワーリフティングという大会では、嬉しいことに得意のデッドで自己ベストを更新できた。

その時のことを書く。

 

パワーリフティングは試技が始まる前に、もちろんアップができる。

アップの際に今日の調子を確認して、申請する重量を考える。

 

大会当日、デッドリフトのアップは超軽めに60kgからはじめた。

その次に100kg

またその次に120kg

最後に140kg

当たり前だがアップで重い重量はやらない。
だがこの日は140kgの時点で少し重いな・・・と感じていた。

 

第1試技の申請は160kg

「バーズローデッド!」の合図の後に自分はプラットフォームに立ち、スタンスを決めた。

バーに指を絡めて、ゆっくりと引いた。

引いた感じは、めちゃくちゃ重かった。 ありえないぐらい重くてカタカタと体が震えた。

が、なんとか引ききって、審判3人が全員白旗を上げた。

しかし、いつも練習で余裕で引けていた重量が重かった。 これは正直言ってかなりヤバイ。

 

気をとりなおして、第二試技。

申請重量は170kg

やるだけやってみようと思い、自分の名前が呼ばれたあとに、さっきと同じようにプラットフォームに立ち、バーを引いた。

当たり前だが、さっきより重かった。

が、なんとかバーが少し浮いた。

自分のデッドリフトは、バーが少しでも浮けば、
そのあと諦めずに我慢すれば、
大体引ききれる。

3秒程度動きが止まったあと、なんとか引ききった。

しかし、審判の判定は赤旗3本。

セコンドについてくれたジムの友達に聞くと、動きが止まって我慢しているときに少しだけバーが下がったらしい。

 

練習で引けていた重量を失敗した・・・

これは、ピンチ。かなりピンチ。

 

最終試技の申請重量はどうしようか。今と同じか、それとも・・・

 

すこし悩んだあと、
第2試技よりさらに重い重量を申請した。

最終試技は175kg

 

さっきまでの2回の試技が、いつもの練習と、どんなところで動きが違ったかを、自分の順番が来るまで考えた。

答えがわかった。

練習では、自分はバーを引くときに思いっきり反動をつけてガツンと引くのに、今日は静かに、おとなしく引いている。

 

それがわかって、最後の試技をする直前に
175kgに挑戦することが不安から楽しみに変わった。

間違いに気づいた自分の、改善されたフォームを 早く試したい。 その気持ちでいっぱいになった。

 

自分の番が来た。

名前が呼ばれてプラットフォームに立つ。

スタンスを決めているときに、ジムの先生から声援が飛んだ。

「おもいっきりあばれろ〜。あばれる君になれよ〜。」

先生もわかっているようだ。さすが先生。 あと相変わらずこういう局面で、ふざけ過ぎず、つまらなすぎずなシャレを言うのが上手いw

 

バーをしっかりと掴み、顔を前に向けた。

一瞬タメを作って、
これでもかというぐらい肩をタテにに揺らして、ガツンと引いた。

ほんの少し浮いたあと、動きが一瞬止まった。

だが、絶対に引けるとわかった。

 

相変わらず体はカタカタと震えたが、我慢して引ききった。

170kgの時よりもスピーディーに引けた。

審判の判定は白旗3本。

思わずガッツポーズをした。

 

まあここまで書いておいてなんだが、たぶんルールを知らない人が読んだら、なんのことだかよくわからないだろう。

私にとってはそれが狙いである。
とりあえずパワーリフティングを一人でも多くの人に知ってほしい。

だからこれからも、試合に出る度に自己ベストを更新できるような選手でいようと思う。(ベスト更新したら堂々と宣伝できるから)

自分の出た最新の試合が、常にベストゲームとなるように、これからもパワーリフティングを続けていきたい。

 

 

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