今月もこちら。
文武一道
何事も上達する道のりは同じ。
だからこそ、1つのことを極めた人の言葉には
重みがある。
- 作者: 霜田明寛
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/07/31
- メディア: 新書
SMAPになれなかった人、V6になれなかった人
ジュニア時代が長かった、V6の長野博のエピソードです。ある日、ジュニアだった長野のもとに、ジャニーから、「スケートボード出来ない?」と電話がかかってきます。長野は、スケートボードの経験がなかったため、「できない」と答え、電話を切ります。しかし、それから間もなくして、またジャニーから電話がかかってきて、再び聞かれます。
「スケートボードできない?」
「だからできないよ!」と長野が答えると、「あぁ、そう」と言い、ジャニーは電話を切りました。長野はなんで二度電話がかかってきたのだろう、ジャニーさんはボケたのかな、と疑問に思っていたといいます。
しかし、ジャニーは決してボケていたわけではありません。このときに作ったのが、「スケートボーイズ」。SMAPの前身となるグループです。
もちろん、このグループ、もともとスケートボードが抜群にできる少年たちの集まりではありません。そう、長野への電話は、その時点でスケートボードができるかどうかを聞いたものではなかったのです。経験がなければ、できないのは当たり前。
質問は「できない?」でしたが、確認したかったのは、「今、できるかどうか」ではなく、「やる気はあるか」ということ。それを確かめるために、「できない」と言っている長野に二度も確認したのです。
こうして、長野はスケートボーイズ入り、という大きなチャンスを逃します。しかし、数年後、もう一度、チャンスはやってくるのです。
「バレーやらない?」
こうして、ワールドカップ・バレーボールのイメージキャラクターとして結成されたのがV6です。V6のVはバレーボールのV。その後ワールドカップに合わせて新しいジャニーズのグループが結成されて、CDデビューするのが恒例となりましtが、V6はその初代。
当時のジュニアたちも、バレーをすることが、まさかCDデビューにつながるとは思っていなかったのでしょう。しかし、このときは、長野はきちんと手を挙げ、晴れてデビューを果たします。ちなみにこのV6のメンバー選抜時も、やる気のない人間をメンバーから外したことをジャニーは証言しています。
「V6もそうです。『バレーやらない?』と声をかけて手を挙げた人。キャリアがあって、メンバーに入れたい子に声を掛けたら『バレーなんかやってどうするの?』。やる気がない人を無理に引っ張ってもしょうがないでしょ。あとで、『なんで僕をいれなかった』って。あれだけ確認したのに、「君がそんなことをやりたくないって、言ったでしょ」。そういうのが3人いた。」
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