今月もこちら。
文武一道
何事も上達する道のりは同じ。
だからこそ、1つのことを極めた人の言葉には
重みがある。
- 作者: 霜田明寛
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/07/31
- メディア: 新書
頑張るのは当たり前
堂本剛は、ジャニー喜多川に、怒られたことが一度だけあるいいます。それは、先輩のコンサートにジュニアとして登場し、ステージ上でコメントを求められた時のこと。「元気に頑張ります!」とい言う剛。特に珍しくもない、多くのアイドルが言うであろう定型的なコメントです。しかし、その後、ステージ裏にジャニー喜多川がやってきて、剛を怒ったのです。
「頑張るのは当たり前だよ!」
そのとき、幼い剛の中に「そうか、頑張るのは当たり前なのか」という印象が強烈に残ったのだといいます。それから、後にも先にも、ジャニー喜多川が剛を怒ったことはありません。
こんなエピソードもあります。97年、Kinki KidsがCDデビュー直前の春のことです。デビュー前とはいえ、その年の夏にデビューすることになる2人の人気はすでに沸騰している時期でした。そんなある日、剛が歌番組の収録を終えたときのこと。汗をびっしょりかいた剛のもとに、スタッフが大勢やってきて、うちわを持って扇ぎます。ジャニー喜多川はそれを
「あっ、ごめん、剛には手がある。自分がやるから」と止めたのでした。
ジャニーは「一番怖いのは、周りがちやほやしすぎること。(中略)スター扱いしてるだけのジェスチャーなんだよ。あんなの大嫌いだ」と語ります。人気が出ても人間性が壊れないように意図するジャニー喜多川の配慮が伺えます。
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