今月もこちら。
文武一道
何事も上達する道のりは同じ。
だからこそ、1つのことを極めた人の言葉には
重みがある。
- 作者: 霜田明寛
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/07/31
- メディア: 新書
ジャニーズ・スピリットとは
ジャニー喜多川は、よくタレントたちに無茶振りとも言える仕事の与え方をします。
1日数回公演のコンサート、開演直前での台詞や楽曲の変更は日常茶飯事です。自身が演出する部隊の時にそれは顕著で、当日になって「今日だけ演出を変えよう」なんてこともよくあるそうです。その意図はどこにあるのでしょうか。
演者再度からしたら、困り果ててしまうような注文が多い、という堂本光一は、そのジャニーの姿勢をこう分析します。
「どだい、まだ技術も経験値もないジュニアの子たちに『うまくやれ』と言っても無理なわけで。だったら代わりに若さでしか出せない猛烈なエネルギーを体験させたほうがいい。急な変更に対応するにはものすごい集中力と勢いが必要だから、するとそこに、若い子たちにしか出せないがむしゃらなエネルギーが生まれるのも事実。ジャニーさんお突飛な発言にはそういう意図もあるんだと思います。」
そして、山下智久は実際にジャニーにこう言われたと振り返ります。
「ジャニーズジュニアのころ、本番当日に突然やる曲が変わったり、振り付けが変わったりすることがよくあって。こっちはてんやわんやじゃないですか(笑)。でも後々ジャニーさんが、『何でそういうことをするかといったら、必死になっている姿が魅力的だからだよ』と言っていたんですよ。当時はそんな気持ちも知らないし、1日5,6公演とかやってヘロヘロだから“ふざけんな”くらいの気持ちもあったけど(笑)、必死でもがいて頑張っている時こそ、違う色を放ったり、発光したりすることがあるんだろうなって。今はその意味も分かるし、ジャニーさんはそこまで計算していたんだなって思います。」
無茶振りでさえも意図的で、その効果を知り尽くしている。あえて大変な状況に追い込むことで発されるパワーを、ジャニー喜多川さんは見ているのです。
しかし、一方でそんなジャニー喜多川のオーダーに対応し続けたものがきちんと残っていく、というのも事実。
Sexy Zoneの佐藤勝利は15歳当時、ジャニーズ入りから2年、デビューして1年の時点で、「ジャニーズスピリットとは何か」と聞かれてこう答えています。
「僕たちは絶対に『できません』とは言わない。いかに応えることができるか。それがジャニーズだと思います。」
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