今月はこちら。
- 作者: 野村克也 中野信子 他
- 出版社/メーカー: セブン&アイ出版
- 発売日: 2020/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
今回の5回は田中角栄(元総理大臣)
「自分の言葉」で話すことだ。
借りものは一発で見抜かれる。
世間も甘くない。
田中角栄が多忙な折、田中に代わって議員の応援弁士に出向くのも田中事務所秘書の役目の1つであった。そんなとき、田中は口を酸っぱくしてこう秘書に言った。
「いいな。わかったようなことは言うな。気の利いたことを言おうとするな。そんなものは聴いている人は一発で見抜く。世間は甘くない。借り物はダメだ。自分の言葉で全力で話してみろ。そうすれば、初めて人は聞く耳を持ってくれる。」
一般社会でも、したり顔でうんちくを傾けるが、あとで聞き手が振り返ってみると、「さて、なんの話だっけ?」という話し手も多々いる。
原因は1つ、まくしたてる言葉の中に「自分の言葉」がないことにある。インターネット、本、新聞、テレビ、あるいは友人、知人からの受け売りで「他人の言葉」の羅列ということである。ある程度、世の中でもまれている聞き手なら、そんな言葉は一発で見抜いてしまうということである。
商談、会社の会議やプレゼンテーションでも、自分の少ない経験、知識に意欲をプラスして、とにかく全力投球で「自分の言葉」で話してみることだ。第一、一所懸命はかわいげがある。かわいげがあれば、聞き手は少なくとも聞く耳を持ってくれるということである。
人に好かれるとは、こういうことである。
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