今月はこちら。
- 作者: 野村克也 中野信子 他
- 出版社/メーカー: セブン&アイ出版
- 発売日: 2020/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
今回の5回は田中角栄(元総理大臣)
リーダーにも誤りはある。
素直に謝ったほうがいい。
そのうえで、
約束を果たすことだ。
超頭脳、目配りの利いた田中角栄ではあったが、ときには誤りもあり、これ多忙で鳴った人だけに、ときに物忘れもあった。
田中派最高幹部にして、自民党副総裁も務めた二階堂進は、自ら「趣味は田中角栄」といってはばからなかったほどの田中ファンであった。この二階堂がなぜ田中に惚れたのか、こう話してくくれたものである。
「昭和38年、私がまだ衆議院の商工委員長のとき、田中さんは大蔵大臣だった。日本貿易振興機構会長から5億円の政府予算を頼まれ、田中蔵相のところへ頼みにいったんです。田中さんは二つ返事で『よしっ、出そう。これが男の約束だ』と言った。ところが、いざ予算案の内容を見ると、これが入っていない。私は大蔵大臣へ乗り込み、『おかしいじゃないですか』と詰め寄った。すると田中さん、『おっ、入っていないか。すまん』というと、その場で大蔵省の幹部を呼びつけ、政府と党に出す印刷物を刷り直させてくれた。まぁ、男の約束を果たしてくれたわけだが、これこそが信頼に足る人物として、以来しゅみになってしまったんだ。」
素直であることは、なにより人に好かれる。
「約束を守れる人物」ともども、これも、男の器量のひとつである。
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