免疫力。13

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免疫力 - 正しく知って、正しく整える - (ワニブックスPLUS新書)

免疫力 – 正しく知って、正しく整える – (ワニブックスPLUS新書)

  • 作者: 藤田 紘一郎
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2020/06/09
  • メディア: 新書

熱心になりすぎるのもよくない

 

腸内フローラ健康法の実践にあたって、もう1つの注意点は「がんばりすぎない」ということです。

 

腸内フローラ健康法は、熱心になりすぎると、かえって腸の状態を悪くしてしまうことがあります。私自身もこれを体験し、ちょっぴりつらい思いをしたことがあります。

 

「人生100年時代!免疫力を高めて、生涯現役を目指そう」

というテーマで本を書いたり、講演会でお話をしたりしていますから、「私自身がびょうきになってはいけない」という使命感が強く働いてしまったようです。腸内フローラを今よりもっとよくして免疫力を強化しようと、ヨーグルトやオリゴ糖など善玉菌のエサになるものをたくさん食べてしまったのです。

 

「これで、私の免疫力はますます強くなるだろう」

そう、思っていたのですが、反対にお腹がパンパンに張って、痛くなってしまいました。これまで快便を自慢してきたのに、便秘にもなりました。貧弱な大便は免疫力の低下を表しています。

 

「こんなに腸に良いことばかりしているのに、どうして腸の調子が悪くなるのだろう」

不思議な気持ちでしたが、ここも生き物である腸内細菌との付き合い方の難しいところでした。相手は生き物ですから、こちらの思惑通りにはなかなか動いてくれないものです。

 

実は腸に良いものを熱心に食べ過ぎると、小腸の中で細菌が異常に増え過ぎてしまうことがあります。この状態を「SIBO(シーボ、小腸内細菌異常繁殖)」といいます。SIBOになると、腹痛やお腹の張り、下痢、便秘など腸の不調が起こるほか、ゲップやオナラがたくさん出たりします。

 

もともと小腸にいる腸内細菌の数は、だいたい2000億個とみられています。一方、一人の腸にいる最近の数は約100兆個、では、大半の腸内細菌はどこにすんでいるのかといえば、大腸です。

 

ところが腸内細菌のエサになるものばかり熱心に食べていると、大腸の中の腸内細菌が増え過ぎて、小腸に上がってきてしまいます。SIBOになると、小腸の細菌の数がおよそ10倍にも増えてしまうことがあるのです。

 

こうなると大変です。腸内細菌がは働きすぎて、大量のガスを発生させます。大腸はガスにもある程度強くできているのですが、本来、ガスの発生する場所ではない小腸でガスが大量に作られてしまうと、腸管の働きは滞ります。それによって消化や吸収に障害が起こり、栄養の取り込みが悪くなります。栄養の吸収が悪くなれば、免疫も十分に原家無くなって、感染症にかかりやすくなりますし、アレルギー疾患を悪化させたり、がんを発症したりする原因にもなるのです。

 

 

第3章では、腸内フローラに良い食べ物を紹介していきます。その食事を意識して行っていくと免疫力もアップします。ただ、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症を防ぎたいからといって、一度に大量に同じ食品ばかり食べるようなことをしないでください。

 

コロナ禍、「ウイルス対策にはビタミンDや乳酸菌が良い」と言われたことで、納豆やヨーグルトを大量に買い占める人たちがいました。ビタミンDは納豆に、乳酸菌はヨーグルトに多く存在します。納豆やヨーグルトをよ食べている分には腸内細菌のとてもよいえさになりますが、度を越えてたべてしまうと、SIBOの原因になります。それでが免疫力の低下を引き起こし、その頑張りがアダとなってしまいます。

 

過ぎたるは猶及ばざるが如し。何事も熱心になりすぎるのはよくありません。毎日の大便の状態を見ながら、程よいところで実践していくことです。

 

そうはいっても、自分の「ほどよいところ」がわかるまでには、時間もかかるでしょう。万が一、腸内フローラ健康法を実践していて、SIBOのような症状が出てくるようなことがあったら、食べる量を減らしてください。いったんお休みしてもよいと思います。それによって便通が改善するようなら、SIBOを起こしていると考えられるでしょう。だいたい、1~2週間ほど様子を見るとよいと思います。

 

私の場合は、ヨーグルトとオリゴ糖がSIBOの原因になっていました。これらを1週間やめたところ、快便が戻ってきて、朝のトイレが再び楽しみになりました。その後は「ほどほどに食べる」ことを意識して、毎日の食事に取り入れています。

 

私たちの腸内フローラにどのような細菌がいるのかは人によって異なります。その組成は、まるで指紋のように一人一人異なるのです。ですから、一般には腸や免疫によいといわれる食品でも、自分にとってはSIBOの原因になってしまうこともある、ということを覚えていてください。

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