子育てベスト100。8

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子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり

子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり

  • 作者: 加藤 紀子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2020/06/11
  • メディア: Kindle版

 

SECTION2:思考力をつけるには?

METHOD24 「深堀り」の意欲を伸ばす

-成績より過程に注目する

東京大学高大連携推進部門の心理学者である白水始教授は「『試行錯誤しながら学ぶ力』は本来誰にでも備わっている」といっています。ところが残念ながら子どもは成績だけを褒められると、かえって学ぼうとする意欲をそがれてしまうといいます。

こどもはもともと単純に「楽しい」という理由から頑張るのですが、頑張った内容には触れずに結果だけをほめられ、さらにはごほうびまで与えられたりすると、「点数しか見ないんだな」「自分がやっていたことはごほうびのためだったのか」と楽しい気持ちが損なわれてしまうのだそうです。

コロンビア大学のクラウディア・ミューラー教授らがある公立小学校の生徒を対象に行った「褒め方」の実験でも、子どものもともとの能力(=頭の良さ)をほめると子供たちは意欲を失い、成績が低下することがわかりました。

白水教授は、「(点数などの)結果だけに注目するのではなく、取り組んでいる中身や、子どもの取り組みそのものに気を配ってあげること」が大切だといいます。

親が子どもの考えをもっと詳しく聞いたり、面白いアイデアや問題の解き方などに関心を向けると、子どもは自分の考えを深堀りしていこうと思えるようになります。

 

「深堀り」の意欲を伸ばすにはどうすればいい?

■どんなことも「前進」ととらえる

「学習するとは、いままで分からなかったことが分かるようになること」だとシンプルに考えれば、失敗も成長の1つだと思えてきます。結果が振るわないときには、どこが足りなかったのか、何が問題だったのかを一所に振り返り、「わかるようになってよかったね」「ほら一歩前進だ」と声をかければ、子どもの自尊心を傷つけずに伸ばすことができます。

■子どもに質問をする

「なぜだと思う?」「自分ではどう思う?」といろいろ質問してみます。子どもは質問されることで、自分の理解不足に気づいたり、自分が知りたいこと、やるべきことは何なのかを自分の頭で考えるようになります。ただし、質問するときは、結果を問い詰めるような聞き方にならないように注意します。

■親の好きな分野と話をからめる

子どもが取り組んでいることに対して、親の得意分野、好きな分野とからめて話してみます。

対話の内容は、子どもの興味に限らなくてもいいのです。さまざまなヒントや視野で広げてやれば、子どもはそれを頭の中でつなげ、あれやこれやといじくりまわして、柔軟な思考力を育むことができます。

■「専門家」の言葉に触れる

親がなんでも子どもよりくわしい必要はありません。「餅は餅屋」ということわざもありますが、親が答えられないようなことは、くわしい人に聞くと、子どもにとってもためになります。

子どもが興味を持つ分野があれば、周囲で自分よりくわしい人を探し、子どもが交流できる機会を作ります。今はSNSで積極的に情報を発信したり、一般の人と交流を持ったりしている研究者や専門家もいます。そうした人と親がツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどでつながって、子どものために直接、質問してあげることもできます。

また、NHKラジオ第一の「子ども科学電話相談」では、子どもたちのさまざまな素朴な質問に専門家が答えており、その内容は本にもまとまっています。そうした番組や本などで専門家の言葉に触れるのも、子どもの知的好奇心を刺激します

 

 

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