唯一無二

今月の3の日もこの本のコラムです。

唯一無二

成長するための近道なら、プライドをへし折られても全然かまわない。「このくらいでいいか」と環境に慣れるのだけは、死んでもごめんだ。俺しかいない。それが堂安律の生きざまだ。

 

座右の銘というとカッコつけすぎだけど、「好きな言葉はなに？」と聞かれて必ず答える言葉がある。「唯一無二」だ。

 

「試合になったらピッチの中で一番うまいと思ってプレーし、練習では一番ヘタクソやとと思ってプレーしろ」

 

これは小学生のころの恩師（早野）陽コーチの言葉。俺は今でもこの教えを実践している。他の人とかぶること、普通と言われることが大嫌いで、どんな試合でも、「ピッチにいる22人の中で一番輝いている選手でいた」という意識を持ってプレーしている。

 

俺は自他ともに認めるナルシスト。でもプライドは高くない。成長するための近道なら、プライドをへし折られても全然かまわない。基本的に人の話はしっかり聞くし、「この人、いいこと言ってんなあ」と思うことも結構多い。何がなんでも自分が正解だとはまったく思っていないし、聞く耳は誰よりも持っている。柔軟性があるのも俺の特徴だ。

そして、変化を恐れない。成長していくためには、立ち止まってはいけない。より厳しい環境に身を置きたいと思っているし、これまでもそういうキャリアを歩んできた。「このくらいでいいか」と環境に慣れるのだけは死んでもごめんだ。

変化を恐れる人もいるけど、成功体験に引っ張られているようじゃダメ。もちろん、自分が今までやってきた中で持っている信念みたいなものは大事だし、それを継続していくことも当然、大事だ。ときには勇気を持って、考え方をガラリと変えることも必要。俺の頭を揺さぶってくれるような言葉や考え方はいつでもウエルカムだ。

 

エンターテイナーとして、俺なりに意識していることがある。それは「堂安律じゃないと成り立たないかどうか」ということ。俺じゃなくても成立するなら、俺である必要がない。

俺はありのままの俺を見てほしい。批判されることも承知で生きているから、アンチも多いけど、そういう人も引き込んで前に進んでいきたい。みんな、俺に普通のことなんか求めていないでしょ？俺はこれからもサッカー選手として、ひとりの人間として、俺にしかできないプレーや言動で魅せ続け、夢を追いかけているすべての人の心を突き動かしていきたい。

 

俺しかいない。それが堂安律の生きざまだ。