食で身体に栄養を!
本で心に栄養を!
気に入ったら是非是非購入してください。
今回はクイズ形式になっています。
- 作者: 西沢 泰生
- 出版社/メーカー: アスコム
- 発売日: 2013/09/05
- メディア: Kindle版
天才料理人が寿司職人にした意外な注文
一流のお寿司屋のカウンター席は特別な空間です。特に店主の前の席ともなれば、そこはもう特等席。初めて入るお店でいきなり座ったりすると「野暮な客」と思われてしまいます。私が普段行くお寿司屋さんのカウンターは、なぜか目の前をお寿司の乗った丸皿が乗っているので、とても安心ですが……。
料理評論家の山本益博が、フランスの天才料理人のジョエル・ロブションを銀座の一流寿司店「すきばやし次郎」へ連れて行ったときの話です。ご主人が握る寿司を2,3貫食べたジョエル・ロブションが、突然、あるリクエストをします。
問題
ジョエル・ロブションがお店にリクエストしたことは何だったでしょう?
答え
酢飯だけの握りを注文した。
ジョエル・ロブションは、横にいる山本益博にこう言ったのです。「上の魚はいらないから、ご飯だけで握ってもらえるように頼んでくれないか」。酢飯だけを握ってもらいそれを口にすると、「美味しい。これは真似できない」と脱帽したそうです。
人並外れた舌を持つ彼は2,3貫食べて、酢飯の美味しさに気が付いた。その真髄を知るためには、上に乗った寿司ダネは邪魔だったのです。おそらく料理人として、酢飯を分析するためのリクエストだったのでしょう。
分析結果は「自分には再現不可能」。のちにジョエル・ロブションはすきばやし次郎のカウンターを「天国に一番近い場所」と絶賛しています。
「みなさん褒めてくれるのは魚のことばかりで、酢飯のことを言ってくれる人なんていませんからね。いやあ、凄い人です」。これは絶賛された側の次郎さんの弁です。以上は山本益博の著作に出てきたエピソードですが、一流と一流の間に静かな火花が散っているようで、なんだかカッコいいです。
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