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「英文法を習っている理由は英文法の問題を解くために習っているんじゃない。英文を読むために習っているんだ」

これを最初の授業で話してくれたのが刀禰泰史先生だった。

 

正直なところ、高校時代から言われていたのだと思う。だけど、自分の心の中にスッと染みこんできたのは浪人してからである。もしかしたら、高校時代にはそのレベルに達していないから、気付けなかったかのか?いや、それよりも刀禰先生が作り出したあの雰囲気かもしれない。いや、そうに違いない。

 

「俺に足りないのはこれだ!」と思ってから、授業の和訳を見せに行くようになった。最初はボロクソに言われた「日本語じゃない」とかそれはもう。だけど、全然嫌じゃなかった。自分の立ち位置を教えてくれたのだから。

 

夏休みは英文解釈だけに1日6時間以上費やした。「このthatは同格?that節?関係代名詞?それとも強調構文?」いろいろな選択肢を考えながら訳した。

 

夏休み終わってから和訳を見せにいくとほとんど間違えないようになっていた。模試でも60の壁を越えて65に達した。マーク模試で9割に到達したときは本当に嬉しかった。いつもカッコをつけながら和訳していたが、そのときにはカッコをつけなくてもカッコが浮かんで見えた。一気に英語の実力が開花した。

 

間違いなく上智に進学できたのは刀禰先生のお陰である。もっと早く出会っていれば英語の教員を目指していたかもしれない。それぐらいお世話になったし、リスペクトしている。

 

刀禰先生は今でも現役で河合塾の講師をしているようだ。東京で京大クラス、京都で東大クラスを教えるというなかなか面白い人である。過去に教え子が2人ほど刀禰先生の授業を教わっているが2人から話を聞く限り、20年前とほとんど変わっていない授業スタイルのようだ。

 

先生という職業は人を変えることができる。実際に長田は刀禰先生に出会えて英語の実力が大きく変わったし、人生の分岐点で新しい選択肢を作り出せた。

 

自分もそういう教師になりたい。う~ん、頑張ろう!

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