心を整えるいい言葉。２９

今月はこちら。

 

今回の5回は中野信子（脳科学者）

 

身近な目標を立てることで、

三日坊主から抜け出せる。

 

目標を妨げてしまう気持ちの動きには、いくつかパターンがあります。ここでは、ダイエットを例に考えます。

 

一つ目は、久々に会った友達に「太った？」と言われたことがショックでダイエットを決意する場合。一時的な強い気持ちが動機ですが、よく会う人から言われないため、ショックの気持ちは徐々に薄らぎ、決意を忘れます。

二つ目は、ダイエット中に誘惑に負けたり、付き合いで高カロリーの食事を摂ったりした場合。途中で遭遇した外的要因に左右されて「もういいや！」という気分になって、ダイエットを中止するわけです。

 

このような失敗を、どうやって避けていくべきなのか。

 

ダイエットなら「やせる」を忘れて、その代わりに「毎日体重計に乗る」ようにします。「やせる」は常に心に描くには遠くて抽象的すぎる目標のため、長続きしにくいものだからです。イメージしやすい身近な目標を、代わりに設定する必要があるのです。

 

今の体重が分かることで、ちょっと体重が多いと思えば、ランニングや食事量を控えるなど対処が可能です。こうした工夫が、無理なく目標を達成させるための秘訣なのです。