今月の3の日もこの本のコラムです。
俺しかいない【Kindle限定版】 (WPB eBooks)
- 作者: 堂安律
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2023/03/23
- メディア: Kindle版
メンタル
最初から恐れず立ち向かえる人はいないし、恐れを抱かないことが心の強さだとは思わない。それでも逃げずに自分の弱さと向き合って乗り越える。それこそが心の強さだ。
オレは弱い。心配性で現実主義者。人一倍悩むことが多い。表には出さないけど、不安でビビることもある。内心、自信を失いそうになるときだってある。心の中では、いつも弱い自分と葛藤している。
でも「全然だめだ」「どうしようもない」とネガティブなまま、落ち込んで下を向いているわけではない。「どうしたら、もっとうまくできるようになるのか」「どうしたら、もっとチームのためになるのか」とポジティブに悩む。悩んで、悩んで、悩みぬく。
たとえば、スカウティングをつけてプレーを分析してもらった時期もあったけど、そこで指摘されたことが頭に焼き付いてしまい、結果的に試合で消極的になり、バックパスが増えたこともあった。サッカー界ではスタンダードな方法だったけど、自分にはどうも合っていなかった。そこで、試合前になるべくいいシーンだけを見るようにしてみたら、試合中もポジティブなイメージを浮かべながらプレーできるようになった。
これが俺の性格によるものか、俺が攻撃的な選手だからなのかは分からない。でも悩んだ末にやり方を変える決断をしなければ、ずっともがき苦しんでいたかもしれない。ときにはやめる勇気も必要だと実感した。
最初から恐れず立ち向かえる人はいないし、恐れを抱かないことが心の強さだとは思わない。それでも逃げずに自分の弱さと向き合って乗り越える。それこそが、心の強さだ。自分のダメなところ隠したり、気づかないふりをしたくなるけど、目を背けていてはいつまでたっても弱いまま。直視してそれを認めないと、成長はそこで止まってしまう。
俺は自分の弱さを知っている。もしかしたらそれが俺の強みなのかもしれない。あとに引けない状況で、弱い自分が少しずつ強くなっていく。地面にはいつくばってでも夢を追いかけ、立ち上がっていく。それが俺の好きな生きざまだ。
なにか課題が見つかったら、「ラッキー! ここを伸ばせばもっとうまくなる」と思うし、全力で克服したいと思う。簡単にクリア出来たら、つまらない。人生だってそうだ。
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